せっかく(!?)新型コロナに罹ったので、備忘録をつけておくことにした。
以下、時系列で症状と患者自身の所見である。お医者さんのコメントは聞いた範囲で書く。
・5月15日(月)
13・14日と大阪に行って、雨の中横浜阪神戦を見たので、その疲れかなとおもう程度の倦怠感があった。でも、朝はスッと起きた。雨模様だったので、通勤は電車だったと思う。
午前中はまあ普通に「土日どっちも休まないで出社つれえなー」程度の気持ちで仕事をしていた。午後から長尺の会議があり、それがどうにも辛い。だいたい会議の内容も辛いのである。「いい加減作業フェーズにうつりましょうよ」みたいなことを言ったら、なんか上司に「何をやるっていうんだ?」とか言われてがっくりくる。結局こいつがうんと言わなきゃ何一つ話は進まない。そのくせに「どっちがうん」かは全然示唆しない。なんなんだ。っていうかマジで、後々でひいひい言いながらデータ集めたりするのはいやなんだよ いやなんですけど? いまやれることやろうよ。
もう身バレもあったもんじゃない。ばれるならばれろ。辛い。席に戻って考えうる限りの「いまできること」を考えていたらなんだかどんどんだるくなってくる。心因性だと思っていたが、さすがに20年間似たような感じで転がされているので訳が違う。これぐらいでへこたれるわけはない。10年ほど前に帯状疱疹やった時も精神は割とぴんぴんしていた。あれよりはぜんぜん辛くないし。なんだろうね。と思って帰宅。定時まで仕事してやった。
家に帰って熱を測ってみても平熱だったんだよね。「自律神経失調症か?」と思いながらゴロゴロしてた。
5月16日(火)
・翌朝5時ごろめを覚まして熱を測ってみたら、37.6とかだった。なんかちょうど、0.1度ほど規定の範囲を超えている。やっぱまずいのか、単なる風邪か、はっきりしなかったので、病院が開く9時半を待って電話(受付時間は9時って書いてあるのに、9時に電話してもつながらなかった)。「発熱外来」を予約して、時間になってから行く。それまでに寝ついてしまうとまずい、と思って、時間を見越しながら一時間ほど二度寝した後で服を着替えたり、メイクをしたりして少し早めに病院へ。
早めに着いちゃったのだが、「発熱外来です」というと「申し訳ないが外で待っていろ」と言われたので方々を散歩した。思えばコロナの患者が熱を出したまま(マスクはしているとはいえ)うろうろしていたわけである。5類以降後だからなのかなんなのか、緩いというかなんというか。まあ多分誰にもうつしてない。いま誰かに接近されたらそいつも道連れだ。幸い火曜日の朝なので人通りは少なめだったが、都会のことでそれでもゼロというわけではなかった。
診断はほぼ問診と、例の「抗原検査」である。私が受けた検査は痛くも痒くもなかったし、そもそも検査用の綿棒みたいなやつが細かった。人によっては血が出るとか痛いとか言われていたが、恐るるに足りない。
診断待ちの時間で松本清張「日本の黒い霧」上巻を読んでいたが、案の定というか、内容はあまり頭に入らなかった。
診断結果は「陽性」一応、検査キットの表示とか見せてもらったけどなにがなにやら。前に診断されていたひとも「くっきり陽性ですね」と言われて「あらー」とか言っていたが、私も特段感慨はなかった。
そうなってくるとともあれ薬局で処方された薬をもらってきて、飲んで寝るしかない。その前に週末のいろんな予定がある方々へ電話。一件連絡を忘れたりする。
この日は兎も角も寝て、ご飯食べて寝て、というつもりでいたが、あまりだるさもなく元気だったので、また少し本を読んでみたり、やっぱやめて寝るべきか、と寝てみたり。昼ごはんもペペロンチーノとか食べて案外元気だった。
5月17日(水)
どうやら東京は30度越えぐらいのえらく暑い日だったらしいが、そういう記憶はない。兎も角寒くて布団かぶって寝ていた。この日あたりから熱も少し上がってくるが、温度だけで言えばせいぜいが37.7とか8程度である。食べ物を食べるのが兎も角もだるいので、食べる一時間ほど前に頓服を飲んでせめて熱を下げよう、というオペレーションに決定。この日は割と忠実に守る。
熱がそれほど高いわけでもないが、暑さは全然感じない。寒気があったのだろう。頭やのどもそれほど痛くないし、咳も出ない。ただ、だるい。症状といえばそれぐらいである。多少、関節痛らしい鈍痛がなくもないが、そんなんだったらインフルエンザの方が辛いと思う。なったことはないけど。
そうだ。記憶の限りではインフルエンザにもなったこともないのにこの私が発熱など異常なのである。うすうす、新型コロナじゃないかと思ってたよ。そのうち寝転んでいるのもだるくなってきたので枕を少し高くして、座ってるんだか寝てるんだかわからないぐらいの格好でうつらうつらしていた。いや寝たり起きたりはしていたのだろうけど、何しろ何もできないので、時間の間隔は曖昧である。多分一番、「溶けていった」日だ。
毎日日記を紙で書いているのだが、さすがにこの日と、18日は書かなかった。書いても書くことないし。
あさ:野菜スープ(卵が落としてある)、ご飯、瓶詰めの高菜炒め
ひる:梅がゆ、瓶詰め高菜炒め、ロコケア
よる:卵かゆ、ウィダーインゼリーロイヤルゼリー配合(賞味期限が切れてた)
5月18日(木)
罹患3日め? 17日と同じくあまり記憶がない。頓服なしで平熱を記録して喜んでいたようなことが(Twitterに)書いてある。
この時点ではまだツナ缶うまそうとか思っているんですよ。ただ、食欲はそれほどないし調理をするほど元気ではない。うどんにツナ缶と小ネギをかけて、ポン酢かけたものなどを食べていた。
ただ、「着替えようかな」と書いては具合悪くなってまたごろりと横になる、などといったことを繰り返している。三度三度のご飯はなんとなく食べている。
夕方ごろ発熱38度台を記録。こりゃまずい、と思う。ほんとうに5日の隔離で治るのか?
あさ:押し麦粥、瓶詰めの高菜炒め、プロテインドリンク(ソイプロテインを低脂肪乳で解いたもの)、きゅうりに胡麻ドレッシングをかけたもの
ひる:冷凍うどん、ツナ缶、ネギ、ポン酢
よる:木綿豆腐、梅粥、ウィダーインマルチビタミン
ご飯だけ見ると重篤である。
5月19日(金)
熱は緩やかに下がっているが、身体的には割としんどかった。あまり記憶がないが、Twitterなんか見ていると17日よりはましになっている(つぶやきが増えているのが証左である)。本当にしんどい時はTwitter上でおもしろそうな揉め事があってもスルーしてしまうもんだ、と思った。人間くだらない事件を楽しむのですら、ある程度体力がいる。
あさ:小松菜に胡麻ドレッシングをかけたもの、ウィダーインマルチビタミン、プロテインドリンク。
ひる:冷凍うどん、きゅうり、ささみ。
よる:木綿豆腐、ネギ、キャベツ、ささみを甘辛いタレで肉どうふにしたもの。
後半、料理をしようとしているのがわかるので、多少元気になっているのだろう、と思われるが、この頃から匂いが急にわからなくなる。具体的にいうと、夜ご飯あたりから嗅覚がぱったりと無くなった。
この、嗅覚がなくなる感覚、目や耳だともっと具体的に「見えない」「聞こえない」がわかるのだろうが、嗅覚の場合は「匂いがしない」というのは全くはっきりしない。石鹸なんかを鼻に持っていって、クンクン嗅いでも本当になんの匂いもしなくなってから、「おお」と思うという程度。喉の奥というか、鼻の奥というかがずっと膿んでいて、じくじくと嫌な匂いのようなものがし続けているので、「他の匂いがわからなくなった」という感覚はあまりなかった。もっと、「健常であるのに鼻が効かない」みたいな感じを想像していたので少しがっかりする。自分の鼻の奥に病気の匂いがあって、それはわかるので、「匂いが全く消え果てた」という感じはない。ただ、具体的な匂いがわからなくなるだけである。
こうなってくると何をつくって食べてもあまり楽しくない。美味しくないことはないが、楽しくないのである。人間というのは勝手なものである。
調理が楽しくないと凝ろうという気持ちも出てこないため、晩御飯は適当極まりない一緒くたに全部煮た的なものを作った。それでも台所に立つ元気はあったようである。
5月20日
隔離期間最終日、熱はほぼ平熱。昨日より頓服から卒業している(ので、処方された頓服は少し残った。もう当分、もしかすると10年ぐらいは熱を出さずに生きていくのではないか、と思われるので、この頓服たちは処方損だ。かわいそうに)。
ところで頓服の名前が「マルイシ」というので、ずっと「よろしくな、マルイシ」などと声をかけていた。あの丸い白石くんを呼ぶときにそう呼んでいるので、親しみが湧く。そんな薬をみすみす捨てるのは忍びない。薬局方でも「薬の返却ができるようになればいいのに」みたいな話をどこかで聞いたことがある。今のところはできないらしい。たとえ返しても、薬剤師さんに捨てられるだけだ。
この日1日はどうやら平熱で過ごせたらしい。昼頃、すこし怪しいことはあったが、概ね平気。朝から元気にご飯を食べるが、匂いは依然しないのである。
あさ:めだまやき、キャベツの千切り、オートミール、低脂肪乳。
ひる:ツナさらだとカニカマコーン巻き、春雨サラダ、いもむしぱん(以上ファミマ)
よる:ささみとキャベツの炒め物、白いご飯、お味噌汁、チーズ
相変わらず匂いはしないのだが、昼のサラダ巻きと春雨サラダを食べたときに、一瞬匂いがしたような気がした。ごま油と、酢飯の匂い。
5月21日
以前から約束していたお友達とコンサートへ。クラシックコンサートなので黙って聞いているだけなので良かろうと。咳もそれほど出なかった。
相変わらず匂いはしない。昼ごはんにはパニーニを食べた。パニーニって昔々流行って滅びたと思っていたが、食べられるところではまだ食べられるんですね。ベニエとかは絶滅したのに。ベニエってなんだよう、という向きにははてなのキーワードリンクが答えてくれるだろう、と思うのでわざわざ言及はしない。穴の開いてないドーナツみたいなやっちゃ。
あさ:なし
ひる:パニーニ(チーズとハム)、コーヒー。コーヒーはただの苦い液体である。
よる:ししゃも3匹、常夜鍋、ご飯、水菜ともやしの和物。
22日からはほぼ通常と同じ生活(仕事含め!)に戻っているので言及はしないが、しつこい咳が残っている。5分に一度ほど、気管支あたりがむずむずし出して、ちょっと咳き込む。鼻水のようなものがそのあたりまで流れているような感覚。これ、なんとかならんもんですかね。
咳に対して処方された薬は23日ごろに飲み切ってしまった。吸引する薬がまだ10日分ほど残っているので、毎日それをやっているが、こちらのほうはどうも「治っている」らしい感じがない。
なお28日現在、ニオイの方はほぼ復活している。コーヒーだけよくわからん。実は先週から会社でもコーヒーばかり飲んでいるのだが、どうも匂いがよくわからないせいであまり美味しくない。美味しくないのに飲んでいるのは、もう中毒としか言いようがない。
お酒大好きなのに、飲みたいと思えなくなってしまったのもきつかった。昨日、冷えたビールを飲んでみたが、こちらはまだ、本調子ではない。あまり美味しくなかった。
追記:よく言われる「5類になってからの治療代」について。
あれこれいうても保険適応なんで…
診察・検査:3000円弱
くすり:頓服と肺の薬を出してもらって670円
ま、普通の風邪くらいのもんである。抗原検査に多少お金は払ったのかもしれないが。
まだコロナは特効薬がないそうで、特別な薬はもらっていない。
正直、上記なんかよりも花粉症の治療の方が金がかかる。
植林を多少伐採するそうだが、それはちょっとひどい話だ、とも思う。
すぎからしてみればなんだよというところだろう。