日月星辰ブログ

Vive hodie.

読書感想 中川右介「プロ野球「経営」全史」

8月に読んだ本を時系列で淡々と上げていきます。

 

ずっとじわじわ読んできたのが読了が8月。ぐいぐいと自分を出していく人々によって右に転がされ、左に転がされしてきたプロ野球球団たち。私の記憶に残っているのはホリエモンによるバファローズ買収未遂事件だけれども、その前からそういうことはたびたびあったのかー、と思った。右に左に転がされている間に出たり入ったりする財界・政界人の豪華なこと。必ずしも球団経営は貴族の遊び、ではないのだが、2000年代になるとホリエモンすら「筋が悪い」とはねられる。ホリエモン…まあ普通のご家庭の人なのでしょうけど、「ふつうのご家庭の人」が容易に潜り込めない世界。っていうか、ホリエモンは単に態度が不遜だっただけなんじゃないのかと邪推しちゃう。(のちに南部さんとか孫さんとかはすっと入り込めてるんですよね)
阪神タイガーズだけが経営者の変わらぬ唯一の球団である! というご見解、にっこりしちゃう。昔名古屋の予備校で世界史を習った時に、「王が変わってない国は日本とエチオピアだけ」と言われたことを思い出した。著者はフラットで冷静な人だと思っていたので余計に、自贔屓というかファン心理はそんな人にさえこんなことを言わせるんだな、というような気持ちで、決して悪い意味ではない。その阪神も同署によれば村上ファンドとのすったもんだの挙句、いろいろあって(逮捕とか)、阪急ホールディングスに買われちゃったんである。2006年以降当面「阪神タイガーズ」の名前を維持するのは10年間だけ、っていうふうに言われてるじゃないですか先生…首の皮一枚じゃないですか先生…大阪人ならびに阪神ファンのパワーが阪神タイガーズをこれからも末長く守ってくれるといいね。いいな。
2022年の現在のところ、まだ阪神阪神のようである。