オタクであるからして、オタ活をたびたびする。
8月2日が、ゴールデンカムイの「謎多き北の工作兵」あるいは「アムール川の虎」もしくは「アイヌの色男」ことキロランケの誕生日に定められて初めての当該日である。
キャラクターの誕生日にケーキを買ってきて勝手に盛り上がったり、パーティーを開いたり、あまつさえ地方のタワーの電飾を借り切ったり、「ゆきえ、結婚してくれ」みたいなメッセージが流せるなんらかのビルに「アムール川の猛虎お誕生日おめでとう」と書いたりなどするのがオタクというものらしい。ケーキぐらいは見たことある。パソコンにキャラの絵をスクリーンセーバーで出しつつ、その前にケーキを置く。ケーキは五号もあろうかと思われる大きなやつほど良い（私は大家族出身者でも食いしん坊万歳家庭でもないところで育ったので、自宅で買ってくるケーキといってもせいぜい五、六号ぐらいのもんだと思っているが、…推しのためにもっと巨大なケーキを買った大きなお友達（物理含め）がいるのならまあ、そういうこともあるのだろう。食品に対する意識の高い向きであれば、控えめなものを選ぶかもしれない）。ケーキにはしばしば、キャラクターの顔が食べられるインクジェットプリントで印刷されていたりする（そういうのを作っている会社がある。代表的なところはプリロールというところだ。前に買ったこともある）。ケーキの上にはメレンゲもしくはクッキーやチョコで作ったプレートの上に「●●ちゃん誕生日おめでとう」などと書いてある。ろうそくはまあ大概十数本から数十本。そういう祝い方をするキャラクターが高齢化したのはごく近年の現象であろうから、まあ十数本が限度ではなかったか。「ミスタ・スマイリー、お誕生日おめでとう」とル・カレの「スマイリー三部作」シリーズのファンがやるとも思えない。やってるかもしれないけどそうするとろうそくは６０本ぐらい必要になる。いやそれ、私がやりたいわ。
お友達がエントリをしたというばんえい競馬の個人協催レースにベットし、もう一つあった見知らぬ同担さまがエントリしたまた同じ趣旨のレースにベットし、結局２０００円負けた。当てて増えた人もいるらしいが、ほとほと賭け事は向いていない。勉強するか金輪際諦めるかの瀬戸際をうろうろしながら、まああとで考えればいいか、などと日和見している。インターネットの馬券販売所に登録をしてしまったので、岩手だろうがばんえいだろうが、いつでもかけられるようになってしまった。まああとで考える。
さらに20時から10分点灯という福岡タワーを青い電飾でライトアップするというイベントを、定点カメラで見守った。あとから仕掛け人のツイートを探してRTしたりふぁぼしたりする。写真なんかも綺麗なものをアップしていて、ありがたい。
ここで時間が少し、2時間ほど遡るが、出社の帰りがけにケーキ屋にもより、「Happy Birthday きろちゃん」と書いてもらったプレートをつけた小さなケーキも調達済みである。ケーキはシンプルな見た目、白い六角形に水滴のような透明のゼリーがあしらわれている。塩味が隠し味で美味しかった。
あとはきろちゃんが好きそうなお刺身盛り合わせパックを買った。ラッキーセブン７７７円、という商品名と価格設定で、ネタは７種類入ってたっけ？ それぞれ２枚づつという慎ましさだが美味しかった。
お盆のお供みたいに果物もあるとよかろうと、スイカとブラックチェリーも買い、帰宅。20時のライトアップを見守って、お誕生日を題材にしたSSを描いてから徐に祭壇のセット。SS…やまなしおちなしでも許される短い小説——などをどうしてかくか。これもまあ、創作系オタクのムーブなので許されたい。自主的な活動のようでいて、世のオタクの習いにこうも唯々諾々と、無批判に従っていると思うとなかなか我ながら愚かしい。ほんの1時間でテーマからモチーフから決め込んでばーって書いたはずなのに、もうこの時点で9時を回っている。
二風谷の匠、貝澤氏に作っていただいたマキリをここぞとばかりに出す。
一部白石のグッズも混じっているのはカプ厨だからだが、その辺りはまあ意味わからない人は読み流してもらって結構である。
ひとしきり写真を撮った後でやれやれと自分の分をもりわけ、いつものぬいメンツと、いつものご飯写真をまた別途撮った。ケーキも「きろちゃん」のプレートが付いた方を当然の権利のような顔をして取った。
2日ほどが経ったあとでアップした本稿だが、やっぱり誕生日当日に振り返って書いたことにしたい。したいので日付は多少修正を加えている。
