日月星辰ブログ

Vive hodie.

読書感想 野村二郎「君も法律家にならないか」

野村二郎「君も法律家にならないか」

法律家を目指す人々のために、法曹界の3つの職種・・・弁護士、検事、裁判官・・・この3つは司法試験に受からないとやれない。当然——の職務について、どのような使命があり、具体的にどういう仕事があり、そしてどういう人生が用意されているのか(!)を丁寧に書いた本。私が中学か高校の頃、裁判官に憧れていたら父が買ってきてくれた。そのとききちんと読んで、そっちを目指していたらどんな人生になっていたか? 途中で挫折したとしてもちょっとそれはそれでやってみたい、と思う。
弁護士はともかく、検事と裁判官は出世の時期やコースまでわりときっっちり見えていて、多分30ぐらいになるとだいたい自分の人生が見えてきてしまいそうでそこがちょっと空恐ろしかった。今の時代は定年まできっちり勤め上げる検事や裁判官も少ないのかもしれませんね・・・出世コースからドロップアウトしたら早々に何か他のしごとに移った方が良さそう なんて思っちゃう。
 年取って司法試験受かっても、さらにそこから1年の研修生時代があるので、ほんとあまり歳を食うと弁護士にしかなれない。きっちり管理されている検事や裁判官に比べて、弁護士はほとんど自由業と言っても等しいのでは… 芸人をやる先生、作家をやる先生、探偵をやる先生・・・はフィクションとしても、そりゃ結局は「弁護士」にあつまるよな、人材。
司法試験の実態や、こういう勉強するといいよとか、さらには「研修生時代は楽しいよ、先輩と酒飲んで大騒ぎだよ」とか、人間臭いことも書いてあるのが微笑ましい。30年以上前の本で、今はまたちょっと違うのだろうが、志云々のところは変わってないだろうな。立志するにはやっぱり15歳ぐらいがいいんだよ。ゆっくり考えればいいのよなんて甘いこと言ってないで。特に、公務員で出世したいなら早めに目指した方がいいなと思った。身も蓋もない。