- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/08/31
- メディア: 文庫
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巷では「セカイ系」などと言われ、新種のファンタジーSF(サイエンスフィクションにあらず、サイエンスファンタジーとでも)のようなくくりになっているようですが、ハルヒはタイムマシンものに良編が多いような気がします。少なくとも私の記憶に強く焼き付いているのは時間旅行がらみのエピソードが多い気がする。さて「陰謀」、読後感はなんだか「時をかける少女」を初読したときに似ている。みくるちゃんに新たなる時間旅行が義務づけられる話で、なんというか、「消失」いらいの現在修正のための時間旅行じゃないあたり、もう掴みはオッケーなかんじです。憂鬱〜消失の最重要キーが時間遡行なので、もうハルヒ=タイムマシンものでいいかもしらん。長門さんの宇宙的ななんとかは物語で語るにはあまりに訳分からなすぎるし(ヒトメボレLOVERみたいなのはネタ自体長門というか、長門出オチというか)、古泉なんて今だにどのような存在意義があるのか(お助け系かチュートリアル以外に)、だんだん不明になるばかりで、彼らメインの長篇もあっても良いのではないかと思います。といってもなあ、古泉の件はなんか007みたいな代物を想像してしまいますが。ファンタジックスパイサイキックアクション、みたいな。
キョンに毒を盛られて冷や汗書いたあげくに、自分で心臓マッサージをすると良い(参考:カジノロワイヤル)。
でもしかし、読み進めていく内にうっかりこういう事を書くと、なぜか次の巻ぐらいで望みがかなったりするような気がします。ようは編集部も同じ思惑に立つのか、よほど私の意見が凡百の願望を具現化しているか、どっちかでしょ。
これはドラクエでいえばあれですよ、4みたいな。ロトの呪縛から離れて初めての、みたいな。
憂鬱〜消失まではドラクエ1〜3みたいに一つの話として繋がっているし、暴走・動揺・憤慨はそれの解題のような感じの作品が多い中、この陰謀はようよう別展開を、という感慨深さがありました。同じ車で走り続けているんだけれども、たんぼ道から市街地にはいったとか、そんな感じで。
新キャラが登場したのも、そんな「新展開」ムードゆえではないかと、ゲスは勘ぐりするわけですわ。