日月星辰ブログ

Vive hodie.

レッドクリフ

初日・TOHOシネマズ六本木ヒルズで初回という好カードで。
例によってネタバレな上に、しっかり「評価」してしまっているので、未見の方は読まない方がいいです。
評価をチェックするのは見てからの方が良いと思うの。誰かがぼろくそにけなした作品だって、それを知らずに見たら、自分にとってはサイコー、ということだってあると思うの。いやだから、他人のクソ評価なんて知りやがりません、という人なら大変結構、と思うんですが、やっぱり先入観はなるべくゼロで見た方が。

とはいえ、ブログで垂れ流すことはやめられません。だってさ、話すよりも文章で書いた方がいいことだってあるじゃない。




ジョン・ウーのだささ炸裂。だがそれが三国志のような気もしないでもないです。
テロップで名前が出ちゃう演出は監督もOK済みなのかな? それとも日本サイドが勝手にやったのかな? あれのおかげでなんとなくNHKすぺさるな感じもありつつ、でもジョン・ウーらしいアクションシーンがふんだんに盛り込まれ、カメラワークもなにやら大袈裟・大仰で、ちゃんとエンタテインメントになっていました。学研の学習漫画じゃなくって。
ええ。その点はいいのですよ。あと関羽張飛がものすごくマッチしてて、いや関さんはもすこし背が高いとたいへんよろしかった(あにじゃと並ぶと極端にでかい、というのが私の希望です)とか、張飛のプロレスラーぶりにはどうしたらいいのかとまどったとか、いろいろあるにはありますけども。

金城諸葛もよかったし、トニー・レオン周瑜は、うん、将軍らしくって良いんじゃないかな。いわゆる美周郎に寄らない、正統派周瑜赤壁にたってる石像もかくや、という感じ。

だがしかし。

いいですか? 一言言わせて貰ってイイですか? これ、脚本としてはものすごく釈然としないというか、適当というかちょっとあなた、酷いんじゃないの? ていうか、

なぜ魏将はひとかけらも取り扱われないの?

仮想敵は曹操様オンリーに絞られ、素敵な綺羅星たる魏将さま達はまるで取り巻きのちんぴら。この扱いは酷い。
孫子にも「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とあるように、特に不利な戦の時ほど、敵の情勢に気を遣わなければいけないというもの。それなのに周瑜さんも諸葛亮さんもぜんぜんそのあたり気にしていらっしゃらない様子。
そんな描写する時間などない、なかったなどとは言わせません。なにあの戦闘シーンの冗長さ。確かにかっこいいアクションだけれども、長すぎるし似たようなカットもありすぎた気がしますよ。魏将に一人だけでもいいからフォーカスして、曹操様の暴虐を描くなり、魏将側の事情についても描くなりしていただければ…もう少しナイスな映画になるだろうに、ともどかしかった。
蔡瑁・張允はちゃんと取り上げられていましたけど。腹心たる魏将をさらに描くことで、この戦の多面的な愉しみ方がよりいっそう深まると思うんだ…。

もっとも、蒼天航路ファンが椅子を蹴って立ち上がる、というほど不出来というわけでもなかったんだけれども、なんかね、単純な二項対立に納めちゃうあたりがなんともったいない、3時間近い上映時間を掛ける上に、パート2まで作るほどのものか? と思わせてしまいます><
ちなみに私は、本編中盤あたりで突然名前を曹操さまから呼ばれたあげくに、すごくみっともないことになってしまう張遼が心配で心配でなりませんでした。ああ、あの槍あたりで死んじゃったんじゃないだろうか、それともあの乱戦のあたりで張飛がぶん投げたの、張遼じゃなかったかしら、とかとか。

張遼張遼、と思いながらエンドテロップを見ていたら、楽進とか李通とかかいてあって腰が抜けた。一緒にみてたMさんと声なき爆笑。一気に体温が3度ぐらい高まった。いつ、どこにいたの李通と楽進

他にも荀攸とかかいてあって、いったいどれが荀攸じゃい、と思った。「呉など恐るるに足りませんなはっはっは」みたいな馬鹿みたいな台詞を言わされていたらかわいそうもえる。