日月星辰ブログ

Vive hodie.

好日

二〇一二年5月13日、母の日の東京は、なんというかこれ以上ないってぐらいによい天気だった。穏やかで、暑くも寒くもなく、風もなく、晴れていて、ほんとこれ以上ない。世界の終わりというのがあるとしたら、きっとこんな日なのではないか、とすら思えるぐらい、よい日。

当然のことながら洗濯物ははかどり、布団を干して、ガジュマルのはちを外に出し、ついでに待てど暮らせど芽が出てこないミントも外に出して、日光浴をさせてみる。まども開け放ち、一部屋だけガッツ裏掃除機をかけて掃除をする。床の上にあったものはみんな棚に載せて。

夜、呼び出しがあって、目黒に「J・エドガー」を見に行く。これはアメリカのFBIを設立し、育て、ニクソンの時代まで生き抜いたフーバー長官の話なのだけれども、どちらかというとFBIという組織というよりも、生涯を独身で通し、天才肌で、人を容易に信用できないくせに、ただ一人副長官だけを信頼し、愛したジョン・エドガー・フーバーという人物の老後の姿をじっくりと描く、という趣向で、なんというか、身につまされた。別にホモセクシャルじゃなくても、ある程度年齢が行っていて、さらに独身の人なら多分みんな、身につまされると思う。

エドガー自身がホモセクシャルかどうか、については、かなりぼかして描いてあったし、映画の神髄はそこじゃないと思う。うーん。むしろこれは、「生涯を仕事に捧げすぎた怪物のさみしさ」みたいなところが印象に残った。

まあ、副官トルソンがエドガーにべたぼれなので、三国志好きのひとならつぼに入る関係性だと思います。曹操夏侯惇、とか、劉備関羽、みたいななにかはあったとおもう。