日月星辰ブログ

Vive hodie.

澄んだ目で見た「皇国の守護者」

皇国の守護者 (1) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

皇国の守護者 (1) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

真面目に読みました。
ファンタジックな世界観と、戦争描写のリアルさが絶妙なハーモニーを醸し出しています。人間が使う道具は銃とか剣とか、せいぜい大砲どまりで、エンジンで動く物が全く出てこない、「近代戦」。こりゃ面白い。有機的な兵器を操る近代人という不思議。
 帝国が戦車とか飛行機とか使ってきたら皇国ひとたまりもないよね。
 船はどうだったかしら、と思って確認したら、帆船でした。すげー。
 映像映えしそうな作品なのでよいアニメになるとうれしい。

 お話の筋や作画には黒船とか、一次・二次大戦とかのパロディが埋め込まれていて、でもなぜかこういうのって喜んでしまいます。全体で見ると日本って国は鈍くさくてどうしようもなく鄙びてて、粘りは強いかも知れないけど後手後手で、っていうところが痛烈に風刺されているのに、読むとなんだか自分の国が愛おしくなってしまう不思議。
 そうか、そんなに鈍くさくて不器用なこの国がすきか。
 権威主義で頭硬くて一億総火の玉とか平気で言えちゃってたこの国が。
 そういうのを憎しみつつも、憎みきれない。戦史がらみに対してぼんやり感じていた違和感のような物を改めて味わった。

 バルクホルン張遼に近似値的な物を感じたがおそらく気のせいですよ。気のせい。