日月星辰ブログ

Vive hodie.

その間に

読書を消化。

海辺のカフカ〈下〉

海辺のカフカ〈下〉

大変おもしろく読みました。世の中が善意というか、なにかしらのきちんとした意志で成り立っている、というような村上春樹の世界観には、痛烈に「日本」を感じさせる。日本人作家で、「ニューヨーカー」に書いていて、英語が堪能で国際的な作家なのに、いや、だからこそ、なのかもしれませんが、村上春樹には強い「和」のこころを感じます。京都と同じ匂いがするの。なんかきちんとしたところが。礼儀正しいところが。
村上作品のなかで一番好きかも。といったって、私の読んだのは以下の4つだけなのですが。
象の消滅
「ねじ巻き鳥クロニクル」
「中国行きのスロー・ボート」(中公文庫版)
と、
海辺のカフカ」。
ハルキ好きが必ずイチオシする「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読まなければ! 「世界の〜」を押すひとはしかし、クチをそろえて「ねじ巻き鳥」以降はつまらない、というのですが。
うーん、そんなにスゴいのか「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」。私は「海辺のカフカ」でもうすごい、凄いと思ったのですが。
 
さらにさらに。角川文庫版・表紙が天野嘉孝のやつ。
いきなり加藤と辰宮があれでなにで、腐女子諸君、うろたえてはならん! という感じで酷くうろたえました。荒俣先生なにをおっしゃりますの、ちょっと待ってそれはまず…! みたいな。古本屋さんで全巻セットで破格の安値で売られていたところを購入しました。これも金字塔的作品なので読み通しておかねば。