結局ゴールデン・ウィークは適当に満喫し、従って軽く五月病の憂鬱にさらされている。具体的には、ご飯があまりおいしくない、という事態で、これは私にとっては至極珍しい。まずいかもしれない。
加えていつも通り仕事のやる気がどうにもおこらず、どうも無為に２日間を過ごしてしまった。やるべきことはまあ片付けたものの、レスポンス待ち、のような曖昧な状態で、すわりが悪い。多分取引先もみんな半開きの口で呆然としているに違いないのだ。
で。
休暇何をやったのか、自分への備忘録として書き留めておこう。個人的には大変充実感のある休暇だったと思う。
２９日 映画「裏切りのサーカス」をみる。主演のゲイリー・オールドマンは御年今年でたしか５３歳なので、スマイリーさんより多分１０以上若い。が、迫真の老人演技。しかも魅力的。役作りのために古式騒然たる眼鏡ショップ（パサデナの、）に行ったらしくって、眼鏡は確かにナイス眼鏡だった。パサデナの、じゃなくてロンドンのにすればよかったのに。
アルフレッドソン監督の撮り方は非常に上品で、さりげなくて、音とかも研ぎすまされていて、好きな感じ。レビューサイトなんかでは絵がすごくほめられてたけど、音もいいんですこれが。「エリ」の時も思ったけど、残虐シーンやエロシーンをロングショットでさりげなく、というのと、鏡越しとかガラス越しの絵作りが面白い。なんとなく、女性なのかなと勝手に思ってた。男性です。眼鏡の……。今後新作全部追いかけるんだろうな……
好きなシーンは、ギラムと、スマイリーと、あと誰か（わすれちゃった…）が３人で車に同乗して、はちが入ってくる、っていうシーン。ぶんぶん飛び回るはちにみんなが辟易しているのに、スマイリーさんはすっと窓を開けてスマートに追い出すのがとてもキャラをとらえているなーと。
ゲイリー・オールドマンと言えば私にとってはバットマンのゴードン警視なんだけど、もっとこう、サイコパスみたいな怖い悪役のキャストが多いらしいが、正直ピンとこない。ゴードン警視とかスマイリーとか、やさしくてちょっとさびしそう、ってのがもう定位置。
あと、コリン・ファースasビル・ヘイドンにぜんぜん気づかなかった。コリン・ファースってもっとこう、や せ て な か っ た っ け 。
（あとで調べたら「英国王のスピーチ」でジョージ国王やってたりして、あーやっぱり年とったんだなあ……って…… いや、かっこよかったです）
３０日。いちにち家でのんびり。部屋の掃除に手を付け出したが、ほぼ洗濯とメールの返信などで終わる。非効率。
１日。出社してみるものの、中国支社の方との打ち合わせ（日本語）ぐらいしか派手なイベントもなく、淡々と業務をこなす。打ち合わせのときにコクヨとかキングジムの文房具もえー、という話をされた。ポメラを教えといたけど、中国語には対応してないよ、というとしょんぼりしてた。
２日。思い切って休暇を取り、箱根に。しかし周知の通りの豪雨。箱根も豪雨。１２時頃に湯本駅についたけど、あまりの豪雨にお昼ご飯食べるところが雨宿りのお客でいっぱい。ひどい目に遭う。３時頃宿につくも、やはり豪雨。豪雨の中、露天風呂に入ったりしていたら、「降雨量が２００ミリを超えると、箱根山には入山できなくなる」由の放送が山全体に響き渡る。仙石原のホテル内で戦々恐々、明日無事に帰れますように、と祈る。
あと、この日に交地に落選したことを知る。がっくり。
３日。あけて雨はやんだものの、バスが待てど暮らせどこない。バス停で待つこと１時間、「ようやっと３０分前に動き出した」というバスで下山、帰宅。ごはんはおいしかったし、温泉に入りにいったようなものなので、満足は満足。しかしひどい豪雨だったな……
４日。空白。部屋の掃除をぼちぼちやりつつ、手慰みになにか書いたりした。けっこうごろごろが主流だったような。
５日。実家に呼び出されて帰省。夜、庭で羊肉のバーベキュー。庭で食べようとすると犬がおおさわぎするので、試しに外に連れ出したらおとなしくなる。疎外感に耐えられなかったらしい。べつに肉がもらえるわけでもないのだけれど。
６日。朝ご飯のときに、ネットで「ヒョウに教われた妻、それを撮影した夫」という海外の三面記事的なニュースをみっけたので話題にしたら、母は泰然と「ジャーナリストだましいがめざめちゃったのよ」と。夫が妻を助けない点には特段疑念はない、とのこと。「だって、人間の男が出て行ったところで、勝てっこないじゃない」。たしかに……。熟年夫婦ってあんがいそんなもんなのかも。竜巻にも、ひょうにも見舞われずに無事帰宅。あとで聞いたところによると、実家のあるすぐお隣の市で、竜巻による大変な被害があったそうで…… おそるべし。帰りがけに買った、「スマイリーと仲間たち」を読みつつ。
とそんな感じ。あけて７日、なぜかすごく仕事にならなくて困ったけど、おおむね勤勉ではないですか。そうでもないですか。
