日月星辰ブログ

Vive hodie.

ノベライズとかスピンオフとか

っていうのは、蒼天航路ふうに言えば「相応の作家がすると名が廃る」というふうにかねてから思っております。ノベライズが、他ジャンルのなにがしかを越えたことなど、無い! ありえん! と思っていました。小説にとって、ストーリーと内部に込める哲学、それに情景描写の細にいたるまでが総合して同じ空気を放つときに初めて、作品たり得ると思っています。
 だからノベライズをする場合にはものすごい変形を施して、原形を留めない、というのが理想的な形だと思っています。その人が一度かみ砕き、消化し、再構築したなにがしかでなくては。元作品を飯として喰った女が子供を産んだその子供、ぐらいの距離がほしい。その場合は「ノベライズ」ではなく「カヴァー」とか言われるんだろうけども。

 藤水名子による蒼天航路ノベライズについては、そんな私の異端な哲学を世間が共有しているとも思いませんしそんなこと想いもするほど僭越ではないので、黙ります。でもきっとね、買うと思う。読むかどうかは苦しいところだが、書架には加えることだろう。

 蒼天航路関連の書籍についてはすべからく買っております。画伝もあるしクロニクルもある。むろんもとのコミックスもある。無いのは雑誌連載版ぐらいなものです。それだって後半は買ってた。さすがにすてたけど。こうなってみると毒を喰らはば皿までの心境なのですが、さすがにちょっと心 配 で す。ノベライズ。ごめんなさい。

 しかしなんですな、相応の作家がすれば名が廃る、長坂の張飛と戦うというぐらいの大事業です。しかも長坂の張飛と戦うぐらいハイリスクノーリターン。張遼は出ちゃ駄目です。無論。夏侯惇だって出ちゃ駄目ですよ! 出たけど。

 しかし最近私の中では「相応の作家」だと思っていたひとがノベライズに手を出していてなんか寂しい。えーあの人が? あの人も!?
企画ものであれば仕方がないと諦めますが、単行本になってると泣きたくなる。泣きたい。泣いた。
 ノベライズで良いと思った作品の場合、必ず原作者がかかわっているのですよね…。あ。例外的に「ロードス島戦記」というものがあったな。別にロードス島は好きでも何でもないですが、あれはよいノベライズなのでは。ゲームからのね。
 マンガから、というと私のような浅学なものには事例が思い浮かびません。小説のほうがデキが良かったノベライズがあったら教えて欲しいです。