日月星辰ブログ

Vive hodie.

コッポラの胡蝶の夢(原題:Youth without youth)

めちゃくちゃ良かったです。


原作がミルチャ・エリアーデエリアーデといえば何となく哲学者だと思っていた私は、小説を書いていることを知ってまず読みたくなりました。時間とか死とか、ことさらに知性とかに対して普段触れない、触れたくない領域にそろそろと踏み込んでいく快感。禁忌の侵犯の快感。思索とか哲学って時にすごく冒涜的! そっとしておけば狂うこともなかったのに。あの蓋をあけちゃったからあの子は、狂気の井戸に真っ逆さまにおちてしまった…。
ストーリーがものすごく本質的な恐怖に揺さぶられるようなあれで、事実これはR指定だという感じのちょっと狂気の扉を開けそうにふわふわする描写だとかいろいろ、あるんだけれども、ティム・ロスが癒し効果を与えていた。ヒロインよりも背低いって…! ごめん真面目な映画だろうが何だろうがもえるものはもえる。学者風味をぷんぷん発していて、たまに眼鏡で、しかもそれがいい眼鏡。さらに細くて小さい! か、かわ…。

作中でハンサムハンサム言われてましたが、キュートとかチャーミングとか、そっちだろうふつう、と思いました。なんかね、ノートルダム寺院の上に座ってるガーゴイルみたいにかわいい…。

ヒロインはルーマニアンらしいのですが、これまたものすごく美人で参りました。作中にサンスクリット語で「般若心経」の詠唱があり参りました。荘子の朗読(in Chinese)もあり参りました。東洋哲学好きなら見るべきです。あと言語学コンプレックスな人も。

私、丁度英語もえが発動していたので、本当に丁度良かった。言語へのつっこみ部分も、普段上手く言語を使いこなせなくてぎりぎりしている私にはすごくこう、すっとしました。ああ、あの手をかざすと何かいてあるか分かる能力、ほっすぃー。