- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/06
- メディア: 文庫
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非常におもしろく読みました。オタク文化の牽引者としての大塚英志のスタンスというか良心というのは、ほんとうに安心できるものだと思う。オタクとは何か? とかいう本の出版が昔より多い今、この緻密さと丁寧さは涙が出るほどありがたいものだありがたいありがたい。発展してウンベルト・エーコの記号論にさまよい出ても、それこそ柳田国男に回帰しても。で物語の『書き方』という非常に引っかかりやすいフックというかえさを用意しておいて、最後にはちゃんと戦争に対して取るべきスタンスとか、これからのラノベ作家にとってほしいスタンスだとかを提示してみせるところなど、周到すぎて中学校の先生あたりに見習ってほしいと思わせる。ターゲットもはっきりしてるし。