日月星辰ブログ

Vive hodie.

泰山編2

昨日の「たのしい中国旅行 泰山編」では、まだ泰山にすらたどり着けていなかったでした。「プレ泰山編」じゃん、「泰山編」じゃないじゃん、ということですが、遠足は家からが遠足です。中国旅行は上海からが中国旅行です。というわけで第2夜。

しらじらと明けてきた夜の、まずはあまりに広大な地平線にしばらく見とれておりました。コンパートメントから出て、通路側のまどから覗くと、朝日が見えました。コンパートメント側は西だ、ということがよく分かる体験です。

同行のおともだちに気を遣って貰って、上のベッドを占領してねていました。荷物をおくところが無いので、やむを得ず足のほうに置いておいたので、足を完全に伸ばすには、斜めにねなくちゃいけません。それでも、斜めに寝さえすれば足が伸ばせる漢民族仕様。くそっうらやましい! 長い足!

大の男以上の男には、正直相当窮屈な寝台だと思いますが、私にはゆうゆうでした。明け方はちょっとだけさびい。日本をでるときは大袈裟だろうと思っていたダウンジャケットがイイ防寒具になりました。ダウンにくるまった上に、ふとんをかぶって寝てた。
まえにも書いたように、停車するごとに「ここはなんとか」とかアナウンスが入るので、たびごとに起きてしまいます。しかしそのおかげで徐州を通り過ぎたときにメモが取れた。ついったふうに、時間と、いまここ情報を手帳に書いていきました。どっかからはノンストップで数時間。次が泰山、というころに「あさの中国共産党放送」が始まりました。
 なんか、ニュースをやっているようなラジオがナチュラル・スピードの中国語で延々30分ほど流れています。肝心の国民お二方はうるさそうに布団かぶって寝ていらっしゃいましたが、われわれ旅人は珍しがって聞いてた。「天気予報かな」「ニュースかな」と言いつつ、待っていると車掌さん(美人のねえさん)がやってきて行きに渡しておいた切符を返してくれる。

そう、ここで思いだしましたが、とれていた切符がなぜか「徳州」までで、ガイドさんが車掌さんにメモをかいてくれて、「この子達は泰山まで行きたい日本人だよ」ということを伝えておいてくれていたのでした。中国の列車は長い距離を走るせいか、途中下車駅をしるした切符を車掌さんに預けて、預かり札みたいのをもらい、下車駅近くになったら降ろしてくれるシステムになっているのですが、ちゃんと泰山の近くで来てくれました。「つぎよ」みたいな事を教えて貰いましたが、なんかいろいろなせりふのほとんどがやっぱり分かりません。人の親切を理解できないほど寂しいことはない! がありがとう、ねえさん。

長い旅路なのですが、さらに長く乗るひとも地元民にはめずらしくないことも、この後悟ることになりました。朝になると歯磨きセットやら、洗顔セットをもったおじさんやらおねいさんやらがのそのそ、手洗い場にくるからです。歯磨きをしたくなるほどにはながいこと、乗っていると言うことになろう。

さてご託がすぎましたので、このあたりで写真を。

はるばる来たぜ泰山駅。
このあたりでプラットフォームの様子もご紹介せねばなるまい。

こんなかんじで、青い看板にでっかく駅名が書いてあります。プラットフォームはものすごく長大。はしからはしまであるくのは一苦労です。

大急ぎで列車を降りる。結構人が下りるのですが、混んでいるのか空いているのか、この段階ではよく分かっていませんでした。とにかく、たくさん荷物を持った人々がごちゃごちゃ、おしあいへしあい、下りる。この感じ、ずっと何かににているなあ、と思っていたのですが、ありさんだ。

しかしありさんみたいには行列はつくらんなあ。