日月星辰ブログ

Vive hodie.

彩雲国物語

お友達の1人が「まあまあ」、1人が「どはまり・やばい」と言っていれば、気になるのが人情というもの。早速1巻を読んでみました。

感想としては、「…これ、塚本青史の『霍光』じゃね?」というところ。霄太師が霍光に立場的にそっくりなんだな。やりくちも、その後いろいろも。友人連中のメンバーもそれぞれ、対照できそう。
劉輝は、霍光がひっぱってきた初めの王様を名君にした感じ。『霍光』の(私的)最ももえシーン、「自分で引っ張ってきた王様をそっと廃位させる」こそ何がアレでなかったでしたが、立場がそうなのよ。というわけで、作者は塚本青史好きだと思った。
そうなると文章も姿勢が似ている気がする。状況説明ががつがつ入ったりするあたり。登場人物にストレートに状況説明をせりふでさせるのは、私好みではないなあ。これ、いちいちエピソードにしたら、もっと長い話になるのに、ともったいない気持ちになる。まあ、長い話を書くのがしんどいのは体感したので、別にそこが重点でなければどんどん地の文とか、キャラのせりふで語らせてはしょって良いんだと思いますが。あでも、キャラクターはかなり良いと思います。主人公のキャラは何となく伝統的だとおもった。ハイジ? キャンディ? そのあたり。王道で好もしい。

私のもえーは霄茶。いやむしろ霄宋(ねたばれぎりぎりやん)?

中国っぽくない中国っぽい国の描写については、まあ、いまさらねえ。…一番あああ、と思ったのはやはり「余」かなあ。「朕」だろう「朕」。めっ。王様めっ。あでも「王」だから余でいいのか。あと「花を贈る云々」は中国というより日本っぽい雅やかな風習だとおもった。中国といっても唐代ぐらいならそういうことやってたかも知れないですけど、なんかその、そういう雅とはほど遠いイメージが…。
朕問題に戻るようですが、中国の政治制度の一番のもえーぽいんつが皇帝という位そのものにある私にとっては、そんなわけでちょっとがっかりする微妙なラインです。王じゃあ跡目争いするほどのあれでは。やだから、王じゃないんだってば。
フランスあたりの王様の話が中国テイストになっているような感じなのかなー。端々にルイっぽさを感じる。
あと言い忘れたけど、主人公のオヤジさんが私の脳内で大戦荀攸に変換される。のほほん能臣。

参考文献:

霍光 (徳間文庫)

霍光 (徳間文庫)