日月星辰ブログ

Vive hodie.

冒険の真相

自転車スカート巻き込み事件の反省を踏まえて今日は運動用のスパッツを履いて行こう…スパッツ? 最近はレギンスとかいうべきなのだろうか。運動するときにはく、パツパツのあれである。レギンスだろうがスパッツだろうが根本的に違いそうな、なんか早く走れそうなやつ。自転車にも当然非常に快適に乗れる。そのまま働くわけにはいかないので、着替えを持っていかねばならないところが欠点だが、運動性が一気にA+になり射程距離も伸びるので積極的に履いていきたい。巻き込んだスカートは洗ったらめちゃきれいになったので今日履いていくことにして、荷物に入れる。

 これが後に英断になる。曇っていると思ったら小雨が降っていたのだ。上は乾きやすいTシャツ、したは運動レギンスという格好だからへいちゃらである。小雨の中、自転車を飛ばした。久しぶりの自転車は電車の中ほど人に合わない。合わないとなんだかちょっとつまらないような気がしてしまうのが面白いところだ。

 小雨の中走っているとちょっと悲壮な気分になってくるが、案外小雨ぐらいだと自転車に乗っている人は結構いる。一人ヒロイズムを発揮せんでも別に珍しいことではないんである。

 自転車というのは人によって乗り方スキルに結構差異のある乗り物である。人混みを縫うように飛ばす人(危ないからやめれ)、対向車や人がいるとやたらブレーキを軋ませて棒立ちになる人。ふらふらのおばあちゃん、傍若無人なおじいちゃん。こないだはカートのおばちゃんのために減速したらカマ掘ってきたお兄さんもいた。てめー畜生、下手なら乗るんじゃあねえ! と悪態をついた。すみませんえへへ、と笑っていた顔が妙に愛嬌があったのでつい許してしまった。

 ちなみに私の愛車はジャイアントのエスケープという、女性向けの車輪の小さめのクロスバイクである。滑らかな走りと、効率の良いペダル性能、信頼のおける鉄の馬ならぬまあせいぜいが鉄のキリギリスである。ボディも緑なのでキリギリスぴったり。しばらく自転車に乗っていなかったので、初めて乗り始めた頃はお尻の筋肉痛で苦しんだが、今はどうってことない。お尻がまだ痛かった頃に、茅ヶ崎まで単独往復をしたことがある。いろんなことがあって大冒険だったが、茅ヶ崎についたら清々しい気持ちになったかというと、ひたすらヘトヘトだった。「海が見えて、疲れが吹き飛んだ」とか虚言を吐きたいところだが、正直なところなんの感慨もなかった。そりゃ着くよ、漕いだもん、みたいな感想である。ほんと。家に帰り着いた頃には、体はくたくたなのに神経がとんがっていて、なかなか寝付けなかった。ドラクエなどの主人公も多分、宿屋についてもしばらくはギンギンと目が冴えているに違いない。そうして、道中で出会ったスライムやタホドラキー、あるいはツノのあるウサギなどのことを考え、思い出し、戦慄したりほくそ笑んだり、悔しがったりゾッとしたりするのだ。

 自転車に乗るときには必ず、この頃からずっとしている手袋をはめる。車のドライバーなどに合図を送るときも視認性が普通の手袋より少しだけ良いような気がする。自転車屋さんに「ネイルアートしてても嵌められますよ〜」と勧められたように、爪先だけ穴が開いている。普通に指ぬきでいいではないか、というとさにあらず、ロングライド時に指が日焼けしないようにUVカットであるから、爪がなんともないのであればできればフルで覆っていて欲しいところなのだ。

 自転車で通勤した日の方が、やっぱり少しばかり、精神が高揚したまま、帰宅することになる。よほど途中で食べて行こうか、お腹ペコペコだし、と思っていてもなんか知らんがご飯が作れるぐらいに、神経が目覚めている。ご飯を作って食べる。

 今日は豚バラ肉でほうれん草を巻いたものをレンジで温めて擬似しゃぶしゃぶを作った。栄養の相性は素晴らしい。

 

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