緊急事態宣言が解除された。
テレビに出てきた人たちはだいたい「嬉しいけど、不安」といっていた。私は「特に嬉しくないが不安もそれほど感じない。あと単純に出社いやだ」という感想である。
仕事は嫌いじゃないが、出社はやだ。人の座標を変えないで仕事ができるテクノロジーが開発可能であるなら、早く導入して欲しい。早く人と会いたいとか、細かなニュアンスが会議じゃないと伝わらないとか、そんなロマンティックなこと言ってないで早く。
ノンバーバルランゲージの世界は確かにあるが、私にとってはそれはどちらかというと驚異のイメージの方が強い。一緒にいてほんわか癒される、という人間についぞあったことがない。だいたい他人というのは、自己ではない、他者の自我というのは、威圧的で、面倒臭くて、重たい。双方心のどこかでそう思っている、という宇宙にいる。「一緒にいて癒される」人はパラレルワールド、いや別次元の何かだ。気を使わせているな、と思ってしまったり、今楽しいのだろうか? と思ってしまったりという癖が抜けない。もう他人というのはそういうものだ、と割り切ろうと思っている。
ともあれ楽しい楽しい隠遁生活にピリオドが打たれることとなった。一応、明日は出社してみるつもりだが、その後については決まっているような様子もみられない。
自粛期間後半は「2666」を読んでた。ずいぶん前に買って、「批評家たちの部」が終わったところで放置していた。今は終章「アルチンボルディの部」まできた。家でのんびりしている時間のほとんどを、架空のサンタテレサの女性連続殺害事件についてのテキストを読むことに費やしたことになる。
今日はシャケを焼いた。