日月星辰ブログ

Vive hodie.

12月の読書メーター

読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3261ページ

予習という病 (講談社現代新書)予習という病 (講談社現代新書)
日能研、というサブ教育機関を育ててきた著者が語る教育論、として、前半部分は非常に面白く読みました。でも、途中からなんか、日能研の宣伝パンフになってしまった。宣伝アクを漉せば、いろいろ面白い示唆がありますが、ちょっとこれ、全部役に立つとは言い難い。
読了日:12月28日 著者:高木 幹夫,日能研
最後の晩餐 (光文社文庫)最後の晩餐 (光文社文庫)
文春文庫版で読んだけど、こちらで。どん底のダンボールみたいな食事から、至上のフル・コースを経てとうとう喫人へ。和食への言及が少なめなのが物足りないですが、中華・フランスの豪華さに読んでいるだけで食いしん坊気分にひたれます。ただ、ここには誠実かつ貪婪な食欲ばかりがあり、健康志向やら清潔志向はない。全く。いっそ潔い掻き込みっぷりで、改めて知識欲と食欲のよく似ていることに感服させられます。
読了日:12月28日 著者:開高 健
西の魔女が死んだ (新潮文庫)西の魔女が死んだ (新潮文庫)
暖かい死の物語。思春期に読めばビルドゥングス・ロマンとして読めるものの、それを大人が読んで「懐古」となるには、表向きあまりにやわやわと、少女趣味なんだけれども、そんな、文体が醸し出す雰囲気とはうらはらに、これほど死が随所に影を落としているのも面白い。この作品の志向する「野心」はそんなところにはないように思います。しかしこういうテーマであれば自然、童話じみた演出が必要であるだろうし、箱庭的な世界観が必要でもあるだろう。
読了日:12月27日 著者:梨木 香歩
台風エリス台風エリス
面白いほどいろんな人と喧嘩するひとだなー。「背丈がちっちゃい」とか「ものすごいむら気」とか、すごく共感を持ってしまいます。私自身が今ひとつ鈍いので、感性の力が強すぎる人に憧れます。それはもう、世間に折り合えないぐらい強いひとに。
読了日:12月23日 著者:レジーナ エシェヴェヒア
秦漢帝国―中国古代帝国の興亡 (講談社学術文庫)秦漢帝国―中国古代帝国の興亡 (講談社学術文庫)
この概説はすでに相当古いもののハズ。それでも「なんとなく」で流していた部分が相当あるなあ、と深く反省しました。秦から漢の時代に、中国社会がどのように変化していったか、を周辺諸国あわせてリアルに解き明かしています。こういう本で新作といえば講談社の「中国の歴史」シリーズですが、この本はものすごく読みやすいし、詳細だし、論理が明快で分かりやすい。類書を読むにも、この本の知識があるのとないのとでは、理解に雲泥の差がでる! と思います。中国史のみならず、歴史学的視点を身につけるのにも有用な書だと思います。
読了日:12月19日 著者:西嶋 定生
人を動かす 新装版人を動かす 新装版
競争に疲れた人ほど読むといいよ! 競争に打ち勝つのに必要なのは、紛う方なき人類愛と、人間理解。人を押しのけての成功は真の成功ではない、というカーネギーの哲学。不朽の名作と呼ばれる所以が分かりました。
読了日:12月10日 著者:デール カーネギー,Dale Carnegie,山口 博
ジャッカルの日 (角川文庫)ジャッカルの日 (角川文庫)
ディテルとプロットの両方が練られたまさに超巧みな作品。キャラクターの対比が簡潔でうまい! 次々と策を繰り出すジャッカルとルベル、二人のプロの真剣勝負は一読の価値アリ。
読了日:12月10日 著者:フレデリック・フォーサイス,篠原 慎
ボサノヴァの歴史ボサノヴァの歴史
ひとつの時代を活写する「史書」として大変楽しめた一冊です。才能のある若者の綺羅星たる列伝は、ほんとうに、歴史の本に匹敵する。読み終わった後、私の脳裏に確固たるマイ・オリジナル「トム・ジョビン」や「ジョアン・ジルベルト」や「ナラ・レオン」がいました。そんな中で好きな人物はヴィニシウス(ローマの皇帝みたいな素敵なお名前!)とエリス・レジーナ
読了日:12月04日 著者:ルイ カストロ

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