日月星辰ブログ

Vive hodie.

ものすごく押しています。

原作も大概すごいが映画もすごい。
MANTANWEB(まんたんウェブ) - 毎日新聞デジタル
http://mw.gyao.jp/

カラミのポスター、みたいなのもあるらしいですが、私としては大型ポップの玉木さんの顔の大きさに度肝を抜かれました。
2メートル近くあるのよ。それでビジュアルはポスタービジュアルだから、なんていうか、ド迫力。

犯行声明ブログパーツなんてのもあるから、興味のある人は着けてみるといいよ! はてなーはつけらんないかも。

原作のネタバレ少し。

私の好きなシーンは、かつての上司だった支店長を結城が冷酷に追いつめるシーンです。
ぐだぐだに酔っぱらわせて、工事現場の足場から突き落として、両手だけでつり下がった支店長の目の前で、マッチを一本ずつ刷りながら、自分の悪事をひけらかし出す結城、ってところ。優雅且つ残酷。マッチを一本ずつ刷って幸福の夢を見るのはマッチ売りの少女ですが、これは一本刷る事に恐ろしい不幸が顕現する、というしかけ。童話のパロディ。

他にもあからさまにビアズレーの「サロメ」のパロディがあったり、目黒警部はどう見たってポーの「大鴉」だったり、さりげなく本読み向けな作品でもあります。手塚治虫と世紀末美術やアール・ヌーヴォーってあんまり結びつけないけど、ちゃんと結びつくよ、という。

サロメのパロディシーンでは、賀来のほうがサロメになってたり、いろいろと興味深いです。ウケセメ的な見方では賀来×結城なんだけど、賀来にも多分に「女性性」みたいなところがあるのかな? と深読みもしたくなる。行動パターンだけ見ると賀来の方が女っぽいんだよね。理性より感情に翻弄されたり、国家の大きな陰謀をどうこうしよう、という大義よりも、身近な人々の幸せを祈ったり。いわゆる「婦女子の情」に流されるのは賀来の方。結城は、…あくまで男性的かつ精力的に、自分の目的に突き進んでいく。

巨匠の懐の深さが分かる、という月並みな表現しか出来ないんですが、、、。まあおすすめ!