日月星辰ブログ

Vive hodie.

政治的に読む「ダークナイト」

911後のアメリカ」的な分析、前の日記でも「におわせた(imply)」けど、「こどものもうそう」で取り上げられていたので、貼る。(しばらくはうざいかんじで英語オタクです。スルーしてください)
『ダークナイト』と『宇宙人東京に現る』と『ダークマン』と鉄腕アトムと | こどものもうそうblog

中二男子理屈映画、という断じ方。…まあ、あれだ、こういうふうに、コミックをより大人向けにアレンジするのって…同人とかでもよく試みられる手法だけど…!
完成度の高さが高さなので、そのあたりは流しておきたいです。スルースルー。おおまたスルー力試し。うざい。

ジョーカーは、アメリカが考える世界の平和を混乱させている国々の象徴だからだろう。実際のフセインではなく、報道されていた時点でアメリカが妄想した巨悪フセインのような人を象徴しているからだ。このことは、作中でも「ビルマミャンマー)の盗賊」というたとえ話で露骨に示される。

私はむしろ、ハービー=アメリカ 的なところに切なさを感じたのですが。

以下 ねっとりと ネタバレ






この映画でもしジョーカーが=テロリズムの象徴だとしたら、アメリカはバットマンなのか、というと私はそうじゃないように思いました。コメンタリなどで監督が示唆するように「ハービーにはアメリカ的なものが必要」なわけで、…素直に読み解くとアメリカはやっぱりハービー・デントなんじゃないかしら。
となれば、テロリズムの犠牲になり、半身を失い(You are alive.Harf.みたいな)、痛々しくさまよう姿がいまのアメリカか? というとそんなこともない気もしますが。でも、もしかしたら、あまりに過剰な中東への圧力のかけっぷりに、そんなデント的なものを感じたのかもしれない。
アメリカが半死半生なのはもう確定で、サブプライムローンとか、リーマンブラザーズ破綻とか、デントになってしまったアメリカがTwo Face化しないことを切に祈るばかり。

ジョーカー=テロの象徴、はテロ国家の、というよりもテロリズムそのものの擬人化、というふうに私は読みたいです。でも、ギャングの一人に「チェチェン人」っていう役名の人がいて(犬を引き連れてて、後ろで髪の毛結わえてるひと。マローニと組んでました)…これは意味深ですねー。
チェチェン人」は初め、全く取り合わない他のギャング連中よりもいち早く、「The Joker」に興味を示します。しかし結局、テロリズム=ジョーカーの犠牲になってしまう。ジョーカーを途中までは上手く利用しているようなのですが、最後にはあっさり裏切られ、逆に食い物にされてぽい。うむむ。
かし、ゴッサムシティにはほかにもロシア系マフィアとか、マローニはイタリア系だし、いろいろ跋扈してるという設定だったと思うので、ここで「チェチェン人」は示唆的すぎるよ…

チェチェン問題:
第一次チェチェン紛争 - Wikipedia
第二次チェチェン紛争 - Wikipedia

ところでクリストファー・ノーラン監督って美形ですよね。鋭い目がかっこよすぎる…。