日月星辰ブログ

Vive hodie.

たーいむ、ましーん!

 広瀬正を読んでいます。大学の合宿でダブルK氏がやった「ターイム、マシーン!」というちょっとひねったビールコップイッキのみのネタを思い出しました。星新一ショートショートとか、そっち方面に現在、ちょっと興味が偏っております。

 反面、今日は昨日の日記どおり、宮城谷昌光三国志』2巻を買ってきてもいたりして、アナクロだったりSFだったり、(どちらも今となってはもしかしてアナクロニズムです、か? ドキドキ)忙しいですが、どちらもさくさく読めるので、一日約1冊を楽しめる感じです。
 宮城谷先生のほうはやっとラストに「黄巾」って書いてあったよー!

 で、本日の読書:広瀬正『エロス』
 はちゃ、はまぞーには『マイナス・ゼロ』と『鏡の国のアリス』のリンクしかなかったぜよ。
 『マイナス・ゼロ』はたーいむ・ましーん!、『ツィス』は共同幻想、そして『エロス』はパラレルワールドです。『マイナス・ゼロ』のタイムマシンぶりは本当に「たーいむ・ましーん!」という感じの清清しさで、ヨーヨーを発明者より先に発明して大もうけ、とかそういう地に足のついた野望を抱いたりして好感がもてた気がします。この『マイナス・ゼロ』にしろ、『エロス』にしろ、広瀬正が過去を書く際の「良い仕事」振りには毎度頭が下がるのでした。地に足のついた生活者が何人か出てきて、当時の世情とかをそれぞれの視点でしゃべるものですから、鼻にもつかないし、話がしばしば技術畑に偏るのも、広瀬正ならではというか。くるまの話を嬉々として書いているのなんか読むときゅうんとしてしまいますよ。この車好きめ。
 また昔の出来事への視線も申し分なく多角的で、というかそれを楽しむかのように多角的で、決して薀蓄に終始しないところがカッコいい。事象は一つではなく、真実はなく、それぞれの視点で捉えたものをそれぞれ書き出してこそ、作家というもの、という魂をそれこそさらっと見せ付けられてしまい、こちらは頭を下げるしかありません。いや、好きですよ、こういうの。
参考文献:

マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)

マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)