旅行中はなにかと忙しくていけない。
旅行ってのは、まったりのんびりいくもんだ、と思っている人は、ひとり旅を一度してみると身にしみて意味がお分かり頂けると思う。
せっかく来たんだからあそこもここも、みたいな、昭和の農協の視察みたいな旅をしてる訳じゃなくても、色々と「決断」「取捨選択」を迫られるケースが押し寄せてくる。
日常ではめっきりルーチン化して、衰えてる感性、能力を刺激される。せざるを得ない。使うように迫られる。
そう言う面倒を避けたい場合はまあ、読売とか日本旅行とかの安心と伝統のツアー旅行とかで唯々諾々と着いてけばいいけど、あなたの年齢が仮にまだ40代以下であれば、よほど日々、決断の連続をしててもうアカン、ノイローゼなる、ていう人でない限りは、全て自分で決める旅の方がいいと思う。
とここまで書いて、なんとなく長がつくタイプの、毎日シビアな判断をしている人がこう言う旅行を嫌がるような気がしてきた。がまあ、そういう人は多分、なんでも自分で決めたがるから、せっかくの休暇旅行もぶいぶい決断しまくるんでしょうけど…
とまれ。
人に任せるか、自分でやるか、もまあ、決断の一つである。
今回の私のミッションは、アイヌの里、二風谷に行くことに尽きる。わざわざ札幌に二泊したのは、その辺りのためなのだが、ほんとを言えば二風谷に一泊くらいしたかった。
その、二風谷。
結論から言えば、ほんとに何もない、清い里であった。ただし、アイヌ工芸の点においては、トップクラスの作家が気軽に直売店を運営していたりして、気が抜けない。沙流川のほとりののどかな村落、ではある。行ったことはないけど、危うくダムに沈みかけた阿仁と似てるのかもしれない。
博物館前のバス停付近の写真を貼っとく。通る車のほとんどがダンプカーか貨物車、牛とか運んでるトラックである。
走り去っていくバスのお尻に、つい不安になる。
さて。
ひとり旅でバスとかに乗ってる間暇なので、実況ツイートをしてたら、いろんな方に励ましていただいたので、私がどうやってここにたどり着いて、なにごともなく、途中で詰まず、札幌・ススキノまで帰り着いたかを書いておく。私がもたついたところを改良、かつかつだったところを改善していただき、役立てていただければ幸いである。
●出発点
他の予定の関係上、出発点は豊水すすきのである。現在時刻6時。天候は小雨。大事なところに行こうとすると大体いつも雨なんだよね 前に白老に行った時も降ってたから、アイヌの神様と折り合いが悪いんじゃないか…と日頃の行いを反省する。もっと鷹揚に、人に親切にしなくちゃ…
北海道の支線はとにかくダイヤがアレ。本数が半端なく少ない。事前に綿密に計画をしつつ、アクシデントにもフレキシブルに対応を迫られる。
地下鉄に早めに乗ったので、余裕を持って、6時53分発の「スーパー北斗」苫小牧行きに乗る。
とにかく早く着きたい一心で、一部電車を使ったが、高速バスだと旅程はもう少し短くて済む。ただし、向こうに着くのが11時になる。体感としては別に11時でも良さそうな感じではあった。帰りの時間を考えると、一時間くらいなんだ、ケチケチすんな、という気もする。
まあ、二風谷で日帰り温泉も、とかやってみるともう少しまったりできるかも。
ただし、これだけは言えるんだけど、博物館前16時7分の苫小牧行きを逃すと、詰む。その詰み方は半端ない。だから早いうちに言っておく。これでも終バス1本前。
人生で大事なことは、めいっぱいを目指さないこと、必ず八分までで勝負すること。いざという時に18時34分はとっておく心の余裕。
流しのタクシーなんていない。まあ電話で呼んでもいいけど、その先の接続は全てぱあよ。
とちゅう、鹿やタヌキなどの出没により時折急ブレーキをかける恐れが、とかアナウンスが入る。札幌をいくらか離れると俄然原野っぽくなる。畑があるところもあれば、白樺を中心にした雑木林が残ってるところも、走る。
苫小牧到着は7時39分。
乗り換えに関しては割と余裕があるが、早めにホームに向かう。苫小牧に行く間に日も登ったが、どうも天候が怪しい。
可愛い電車デショ?! 日高本線、様似行き。昆布のパックに書いてある様似産、のあの様似か。
これに乗ってれば着くんならまだいいが、そうではない。この電車とは鵡川までのお付き合いである。
じゃあ本当ならどこで降りたいの?といえばまあ、富川駅なんですけど。
沙流郡日高町富川南、が正式な駅の住所。その前の汐見駅なんて、プラットフォームがあるばかりの姿である。
野田サトルファンなら、二風谷と勇払の両方にアプローチできる(前者はあくまでアプローチだけど)、ステキな路線だってのに!
勇払は「スピナマラダ!」の主人公が通う高校がある。アイスホッケーの強豪校、という設定。
その勇払でも降りたいけど、さっきも言ったけど一度降りたら計画が全てぱあとなる電車なので我慢して写真だけ撮る…。
外になにやら黒いものを積んだ工場があった。化学工場らしい。
鵡川着、8時27分。
割と大きめの駅で安心した。ちょっと待って、まだ朝。
博物館前到着予定時刻は一応9時54分。半分ぐらい来たかな…。
鵡川からの代行バスはすでに駅前に止まっていた。小雨の降る中、駆け足で移動。
別に置いていきやしないと思うけど、置いていかれたら詰む、という気持ちが、足を自然に駆け足スタイルに動かす。
気持ちとしては代行バス「様様」。つい写真まで撮っている。
「ようこそ」っていう表示に「よろしくお願いします」と言いたくなる。
この代行バスは途中、「汐見」などに止まりつつ、富川まで送ってくれるのだが、またこれで30分かかる。富川着、9時8分。
日本の中なんだからなんとかなるだろう、とまあ、ほかの地方なら思ったかもしれないが、北海道は別である。まず本州でこの距離を移動しようなんて思わないけど。魅惑の大地・北海道。
ちなみにこれ、汐見駅ね。泣くんじゃない…。
JR北海道は2015年からずっと、この辺りの復旧をできずにいるそうだ。泣いちゃう。
富川駅前のバス停にたどり着いた。ここからは23分まで、約15分、待ちの時間である。都内ならドトールでビバークとかって贅沢をするところだが、そんなものはない。民家が数件、あるくらいり自販機の暖かい缶コーヒーであったまろうと思ったら、間違えて「つめたーい」を押してしまった。
飲み干してから、もう一本買った。でも、100円だったからいいもん。お安い。
ここで待っている間に、白鳥がこうこうと鳴きながら頭上遥か上空を飛び交うこと二度三度、小雨がじわじわと激しくなって、一時ざあっと降ること数分。数分の間に傘をさして、また畳んで、私はいっつも聖地に行こうとすると雨が降る、宗像大社のある離島に行った時も、神社に近づいたときだけ雨が降った、それ以前に北野天満宮でも近くに行ったら雷雨があった、白老もざあざあぶりだったしなんなら旭川のカ子ト記念館もそうだった、神社はまあ違うとしても、アイヌのゆかりの地に行こうとすると雨が降るのはなんだか不穏である。私の前世は嫌なシサムの旦那、とかだったのか。やだあ。
とか考えていた。
ほぼ定刻通りにバスがやって来て、いそいそと乗り込んだ途端に、雨がふっと止んだ。 被害妄想をこじらせるべきかどうか、判断に迷う。どうもツンデレな天気である。
この辺りを牛耳っているのは、道南バス。とくにローカルな路線はほぼそう。
バスの網棚広告に気になるものがあった。アイヌ語での車内放送だって!?聞きたかった。
この路線も30分程度、乗り続ける。途中の景色を楽しむ余裕はある。
ついたー! 何もないところが清々しい。
●到着!
シーズンオフなので何となく閑散としている。いやそれ以前に平日である。こんな日にスミマセンネ…という気持ちでこそこそと。だいたい気合を入れてきすぎて、開館までに数分ほど時間があった。
外観。モダンな形も何か表してるのかな。
感無量すぎる。みんなもこの気持ちを味わって欲しいので、もったいぶる。
入口の木の扉にもアイヌ彫刻が施されている。
ARも無事ゲット。キロちゃんとデート、に使っていいよ、というかんじのしゃしんが撮れたが、私の感覚だと取材者とモデルみたいな気分。ガチャガチャ撮影機器を持ち歩いてる系女子。
見てのとおり、新しくて綺麗な建物。結構来館者は多いのかな。今日は人いないけど…
杉元とアシリパさんの立て看板もちゃんと飾ってあった。3ショットを試みるが、脚のラインがなかなか揃わない…
今見て思ったけど、タテカンに足を揃えたら不自然だろと思った。ARキロちゃんは!現実だから!(拡張のな)
ポーズかいろいろある方がこういうのは面白いよね。
このあたりの大きさのストゥとか、
ニキセリ(煙管)、タンパクオプ(タバコ入れ)と言った喫煙具。 キセル入れ、っていうかキセルを引っ掛けて吊り下げとくところ、の構造がすごい。雁首を穴に通して上から下げれば、落ちないよねという形になっていて、理にかなっている。
煙管の方はわりとシンプルなデザインが多いが、タバコ入れとタバコかけはセットになっていて、彫刻がすごい。なんとなく、煙管の方にも彫刻を施したくなるところだが、そういうのはあまり見ない。消耗品だったのか、タバコのみあるあるでよくなくすのか。
現代でも飲み屋に行くとたまに、まだいっぱいタバコが入ってるパックが置き忘れられてることがある。もったいない。こういう事故がアイヌの人たちでも割にあったのでは、などと妄想する。ひとんちに忘れたり、山に忘れたりさ。
タバコ入れが豪華なのは、タバコそのものが交易品で、高価だったから、というのも考えられるな。タバコ入れの方は帯から吊るす形になっている。よほどそそっかしくないと忘れない。
ニキセリは「木の煙管」の意味とのこと。複合語だ。キセリ、はキセルからというから、外来語だな。鉄の雁首のものなどは単に「キセリ」というのか。
これは確かイタタニ(まな板)だったと思うんだよなー。表面のギザギザが使い込まれ感を出している。さりげないハート型。
うーん。
いつまでもいられるぞ。
写真も撮り放題なのも嬉しいし、映像や音声資料が充実しているから、本当にまじめに3時間とかいられる。
これでも映像は全部見てない。
気がついたら一時くらいだったので、まずいまずいと駆け足に。時間の拘束がつらい。
丸木舟には乗れたりもするので、ぜひ乗ってみて。
「またいつでも来いよ」という気持ちだが、12月16日から1ヶ月は休館なんだよここ。キロちゃん。
茶番はこれくらいにして、見終わったら余裕で一時を過ぎていた。遅めのお昼にしよう。
選択肢はいくつかあるが、噂に聞くキトピロラーメンが食べたい。
おいちちょう。
いや実は屋外展示などもあってそんなにすっとは行かない。
プ。貯蔵庫だ。覚えやすいなまえ。
ヘペレセッ。子グマを入れとく檻。餌箱の仕組みがイマイチ分からなかったが、今回やっとわかった。
ぴったり差し込める溝が、ある一点に付いている。クマを入れたまま、そこから差し入れる。
ゴールデンカムイの中で、この檻の中でみちみちに育ってしまったかわいそうなクマさんが出てきたが、多分そうなるしばらく前にはこの餌入れが入らなくなっていたに違いない。粗末なものを食べさせて…というアシリパさんのセリフもあったけど、それも干からびた、ずいぶん前のだったと思われる。
かわいそう。
1年くらい飼ったら、まだ若いうちに熊送りしてしまうのが普通らしい。
オッカヨル(むしろの目隠し付きの親切構造)
と、メノコル。いろいろいいとこはあるけど、女性の便所だけは納得いかん。
もしかしたら現代と同じく、オッカヨルは数人が使える構造で、メノコルは一人用、ということなのかもしれん。白石なんでこっち入ったの。
べんじょで締めるのもアレなので、チセ。
閑散とした工芸館にて、先生のサインを見るなど。この辺りでスマホの電池が怪しくなり、いよいよ飯だ飯だ、となる。
ポータブルバッテリーにつないで、ご飯。また写真出していい?
キトピロラーメン!
味噌仕立てで大変温まる。ギョウジャニンニク自体はほんの少しだが、ふわっと香る香りが美味しい。
お麩が入ってるとこ、北海道らしい。
他にもカレーライスとかが食べられるが、ここははじめてならキトピロラーメンにしとくべき。
お腹もくちくなり、電池もだいたいオッケーになったので、再び外に出る。2時近くになっている。
博物館の近くには、いくつかアイヌ工芸のお店がある。ご案内は博物館で周辺マップがもらえるので、いくつか回ってみるか、と散策を開始するが、オフシーズンのせいか、営業してそうなお店がなかなか見つからない。一軒めに入ってみたところ、招き入れてはくれたが、営業している様子がない。
「展覧会で作品全部持ってってるんですよ」とお店の人が言っていた。なにー。
お店の方に、少し見て回れるところはないか聞いてみたところ、「萱野茂記念館は行った?」「ああ、でも今日はお休みかもね…」なにー。
親切にあれこれを教えてもらったのに、空手でお店を出る。
あとでわかったんだけど、どこも工房を兼ねているようで、気軽に二つ三つ、お土産にという感じじゃない。一点を目指して来店し、時に注文して、という感じ。もちろん展示中の作品も買えるところもあるだろうが、お気軽なお土産ニーズには記念館近くのアイヌ工芸館に行った方が良い。500円くらいのものからあるから。
二件目は店構えがポップで入りやすそう、という理由でこちらに入ったら、これがまた素晴らしい出会いになった。
実はお友達に、二風谷に行ったらぜひ行ってみてほしい、という作家さんの工房兼店舗を教えてもらったのだけど、お店の名前まで聞きそびれてしまっていて。
はじめに入ったお店で聞くわけにもいかず、閉館中の萱野氏の記念館のお庭(こちらは入れる)にあった縁結びの岩に「どうかお引き合わせを…」とやったのが、よかったのかもしれない。
実はバス停のすぐ近くのこの店だった。「つとむ」さん。
こちらのご主人は代々この辺りに住んでいたアイヌの末裔で、アイヌ彫の作家さんのなのである。ほかのお店も同じように、代々住んでいる方が、木彫りやアトゥッシ織なんかを作っている。中には惚れ込んで本州から渡ってきて、同じように木彫りを作ってる方もいるそうだ。
村の中は本当に静かで、じっくり作品に取り組むには格好の場所なのだろう。
「つとむ」さんもお店の前が工事中で、入っていいものか迷っていたんだけど、お店に行ってみると暖かく招き入れてくださった。
ゴールデンカムイをはじめ、映画などで登場するアイヌの人々の小道具なども手がける作家さんの、アトリエ………!
ヒミツにしておくべきかとも思ったんだけど、お店だし、繁盛してほしい……
ので、そっとアトリエの外観だけ貼っとく。
キロランケのマキリを作った作家さんです。とても気さくで親切で、いわゆる精神のいいニシパ、ってこんな人なのかな…と思いました。
(そういう方に子供の使うものを作ってもらうといいらしい)
コーヒーをご馳走になったり、お話を伺ったりしてる間終始へんに緊張してしまい、若干キョドッていた。お礼を言って別れて、沙流川歴史館をぶらぶらしてるうちに、なんかすごさがじわじわ実感されてくる。
今年の締めくくりに、いい体験をした…してしまった……
沙流川の歴史を紹介する施設。ここは無料で入れる。
動物の像が剥製ではなくて木彫りなの、いい。
二階に、二風谷湖に訪れる越冬の白鳥を見られるコーナーがあるんだけど、ここの机がまた良い。さりげなく施された彫刻のクオリティも高い。もちろん手作り。
神秘的に靄の立ち込める湖。二風谷湖はダム湖である。沙流川はもともと暴れ川だったそうだ。かのイペタムが沈んだのも、沙流川だったようである。
ちょうどよく4時少し前になったので、ゆるゆるとバス停に。また来たい。また来る。
さて。
また片道3時間半ほどをかけて帰るわけだ。
バス待ちの間に、ナビタイム先生を立ち上げる。先生は機械なのでこちらのふわっとした意図はあまり組んでくれず、「10時ごろ着きたいんだよねー」というと十時前のルートとか言って平気で前日の高速バスとか返しやがるんだが、帰りはわりと、まともな情報を返してくれた。
●帰路
しかしここで一つ疑問が。
「高速とまこまい号って、…予約いるやつなのか??」
地元でよほど慣れていないと、そういう情報にいちいちドキドキする。この日高方面に限って言えば、電車より圧倒的にバスの方が便利で早い。
もし、高速でとまこまい号が完全予約制、間抜けで不用意な旅行者など乗せてもくれない、となったら…拓勇南とかいうどマイナーなバス停で詰むことになる。詰みは嫌だ!!
この路線を牛耳っている(はずの)札幌中央バスに、博物館前でバスを待つ間に何度か電話をしてみたが、なかなか通じないんだこれが。
ずっと「混み合っております」なんですよ。何回線開けてるのか知らないけど…。
北海道でバスに乗ると、だいたい1路線ずっと一人か二人、みたいな感じなので、てっきりバス会社にもサクッと電話がつながると思うじゃんね。話はそう簡単ではない。
あとでじわじわわかってくるのだが、ローカルの路線バスはお寂しくって、学生さんか病院通いのお年寄りの足、という感じなのだが、高速路線は割といい感じにたくさん人が乗っている。とりわけ予約制の長距離バスは、いまひとつ頼りにならないJRよりも活躍している雰囲気だった。
そんなわけで、まあ、そういう予約とかで、電話はそこそこ混んでいるのかもしれない。
いずれにせよ、予約をとっておかなくてはダメだったのなら、完全に詰みだ。とまこまい号でなんとかなりそうな、拓勇南大谷地間の時空間ワープを諦めて、ローカル路線で終着の苫小牧駅前まで行って、そこからいつくるともしれない電車を待つしか…
やだ。
富川市街で幸いに乗り換えだったので、またしつこく電話をかける。富川市街から、富川大町までの一区間を、ぼんやり待っていても何にもないので、歩いたりしてみた。
富川大町のバス停には、ガソリンスタンドやラーメン屋、ツルハドラッグなどがあって少し心強い。街の灯りが恋しくなる。
というのも、まだ17時前なのにこの暗さなんだもん。やっぱ緯度が高いんだな。
暗くなると心細くなる。車通りこそ盛況で、ツルハドラッグの駐車場には車がそこそこの台数止まっているが、バスを待ってるひとなんていない。そのうち暗くなってくる。
中央バスへの電話もなかなかつながらず、これはもう苫小牧までバスか…とか思ってるうちに、乗り換えのバスが来た。小雨だったからか10分ほど遅れている。
バスの中でかけた電話がようやく繋がり、高速とまこまいは予約なしで乗れるということがわかって密かに大喜びしたのだが、さてこうなってくると俄然、タイムアタック要素が加わってくる。
そういえば札幌中央バスの人に、「拓勇南からの高速バス」と言ったら、「拓勇南…、でございますか?」と聞き返され、ちょっと不安になった。なんとなく、地元の人はそんな路線バスで遠出なんてしないのかな…、と思った次第。まあそんなことするのは旅行者だけかも。海外の人なんかだと国際免許でも持ってないと走れないし、いくらなんでも外国でレンタカーを乗り回せる人はごく一部だろう、と思われるので、バスが生命線なんだと思うんだけどね。
とりわけ12月初旬なんてもろオフシーズンで、恐らくは帰省とかの人もいない。
ただ、二風谷は12月中旬から1ヶ月の休館になってしまうので、我々としては!今行くしか!ない!
そうこうしているうちにバスは順調に遅れていく。おいおい高速とまこまい号、間に合うんだろうな……
拓勇南バス停に着いたのが乗り継ぎジャストタイム18時20分。 路を折り返すルートだから、道路を渡らなきゃなんだけど、こんなくらい時間にこんな広い道路をノー信号で渡れるわけないだろ!!(都会のシサム)うおーどこから渡ればいいんだーとやってたら目の前でバスが……
わああ。
大丈夫!30分に一本ある!
勝つる!(だんだん道内時間に)
さらば拓勇東町。
やったー!大谷地バスターミナル!
ここからは地下鉄で楽勝なので、割愛する。
宿はススキノなので、さてさてごはんでも、ということで、以前からちょくちょく、ゴールデンカムイファンの中で話題だったここに行った。
海空のハル!
普通のひとり客みたいなテイでふらりと入ってみて、さりげなく「チタタプくださーい」と行ってみたら、「アイヌ文化お好きなんですか!?」とからんでもらえたー! うん!さっき二風谷行ってたんです! とか、盛り上がり……
うん。食べ過ぎました……
ラストに頼もうかなと思っていたオハウは悔しがりながら諦めた。
チセ風の席とかもあるよ!団体で来るときには予約を入れてでも行きたいところ。
チセ席にさりげなくゴールデンカムイ置いてあった。
結局写真のニセコポテトを残して、折り詰めにしてもらう。毎日のようにフォアグラみたいに食べてるので、脂肪肝に気をつけたい……。
さて。一万字以内に治ったぞ!
ではおやすみなさい……
おまけ。
貝澤徹氏(つとむ現ご主人)の作品は、二風谷アイヌ文化博物館でも見られる。「椅子のやつ」とご本人がおっしゃってたので、多分これ……
神聖さを感じさせる、儀式用みたいな椅子。