日月星辰ブログ

Vive hodie.

雑記 由無しごと

イギリス人はいほとんど漫画読まない、という話を会社の人からの聞いた。先日亡くなった、うちの会社に英語を教えに来てくれていたイギリス人は漫画好きの柔道家だったので、てことは相当の変人だったのかもしれない。

変人というか。

好事家と言うべきか。

彼は数年前、他界したのだが、亡くなる直前、ひどく体調を崩しているときに、「こちらで何かあったら(まあ、直裁に言えば死んでしまったら)、大変困る、ということで会社の人が説得して故郷に帰ってもらった。いわゆる「客死」を免れ、それからほどなくして亡くなった、という。心臓の病気と、不眠症を抱えていて、常に「よく眠れない」と言いながらパイプをふかしていた。ペースメーカーも入っていた。

そのくせ「日本人のご飯は塩辛いから日本人は高血圧で死ぬ」とか言っていた。イギリス人は心臓病だそうだ。心優しくて、自らも決して裕福な生活でもないのに近所でホームレスが倒れていると病院に連れて行ってあげて、弁当をおごってあげるような人だった。

なくなって、もう5年ほどになるか。いまでもふとした折に思い出すぐらいだから、人徳がある。生き続けているとも言える。

カイガイザイジュウ、とかいう言葉を見かけると、つい彼のことを思い出してしまう。随分前に日本に住み着いてから、ほぼ片言の日本語と、英語で生きていたらしい。とにかく人がいいが、ズルやさぎなんかには厳しい人だったので、多分嫌な思いはちゃんと避けて行けたのだろう。

本当は日本で死にたかったのではないか、とふと思うことがある。お墓も建てられなければ、お葬式も誰が出すんだ、という感じだけれども。向こうではお姉さんが彼を見とったらしい。客死というとまるで不幸なことのようにとらわれがちだが、いったいそれは、異国の地で死ぬこと自体が不幸なのか、死そのものの気のめいるイメージから自然とまあ主だろうが客だろうが死は死だよね、ということなのか、いまだに私には実感がわかない。特に生活の拠点をほぼ旅先に持っている、お友達もみんなそっちにいるし、というと、どっちが「彼の地」なのかわからなくなるのではないか。 

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自炊メシ。秋ジャケとニンニクの芽を焼いたのと、トマトと玉ねぎ、セロリのサラダ。セロリは食べるとしばらく手がセロリの匂いだが、美味しいのでつい買ってしまう。