日月星辰ブログ

Vive hodie.

オヤジギャグ罹患

読書は知識も増えるしエレガントで良い趣味だ、などと思っていると思わぬ弊害があるのだということを最近知りました。

 それは そう おやじギャグが自然と口をついて出てくるという病に、ある日突然冒されるのです。実際、複数のサンプルや証言を照らしあわせてみて、どうも、本を読んでいる人ほどおやじギャグを言いたがる、というか自然と口をついて出てくるらしい、という仮説に至ったのです。私も読書家というほどではないけれどもまあ本を読まなくもない、くらいの人間だったはずなのですが、最近油断するとふとオヤジギャグが…。

 

 オヤジギャグの恐ろしいところは、別に言おう、と思っていなくとも思いついてしまい、思いついてしまうとつい口に出してしまう、という厄介な点です。こればかりは罹患していない人にはどうもそのあたりの心理がよくわからないようなのですが、私は軽く罹患してしまっているようなのでなんとなく分かるようになってしまった。口に出したところで百%受けないというのも悲しいところなのですが、あれはなぜなんだろう?

 おそらく、オヤジギャグというのはギャグにあるまじき独善的なものであり、多分は自分に向けた単なるひとりごとの部類に限りなく近いのではないか、と思っています。ギャグ、と言いながらそれは他人に向けてはかけらも発せられていない。すでにギャグというものの本質を欠いているのでギャグですらありません。口に出したところで百害あって一利なしなのに、なぜか口をついて出てしまう。おそらく脳みそからショートカットで口の筋肉につながるような回路になっているのでしょう。普通思考というものはまず頭の中で構成され、論理化され、その後言葉となって音声化されるという手続きをとるものです。オヤジギャグに至ってはそうではない。あれは読書を趣味とする人がつい、漏らしてしまう何ものかで、つまりは書痴の鳴き声とでも思っておけばよいでしょう。

 別に本とオヤジギャグの間には直接の関連はありません。なぜ本読みにオヤジギャグ罹患者が多いのか? 理由はわかりません。