日月星辰ブログ

Vive hodie.

わざわざ 京都の紀伊国屋書店で 買った 張遼

もとい「極厚版 蒼天航路」第8巻。

伝説的な幻想・赤壁の戦いなのですが、これいいよ! 孔明が。

今回改めてじっくり読んで、荀攸孔明劉備に惚れ直しました。
お花が咲いちゃう妖術師・孔明
表層でしのぎを削り合う周瑜荀攸
暗黒の策・カク。
そして「天下人」らしくもにょもにょする劉備と、
民草と同じ魂と視点ながら、究極の天下人、殿です。

もっとも優れた男は、もっとも卑しい人々と視点を同じくする、というのは、蒼天航路曹操を貫くキャラクターの一つ、だと思います。わりと何度もそのように書かれているので、明白なのです。水晶、頓丘での「人を品と見るのか」、ベン夫人の一件、関羽の一件、華佗の件、そもそもモットーが「唯材是挙」、「俺は死ぬまで詩を謳い戦場を駆け回るのだ」。
いくら始まりはどこの馬の骨とも…な始祖をいただいていても、400年も正統王朝が続いた後の帝国ですよ。そりゃもう、身分とかしきたりとかうるさかったろうに。天子以外で一番の貴人が、もっとも卑しい民草たちとまったく同じ視点をもっている(だから曹操には孔明が見えないんですが)んですよ! すごくないこれ? 歴史モノを題材としたマンガとして、すごくない!?

首尾一貫して「ただの人間でありつづける」曹操を描いた、という視点で「蒼天航路」を読み解くとき、「赤壁」ははずせないんだなあ! 一番曹操が動物としての「人間」だったエピソードだから! 
この「赤壁」で確かに蒼天航路は一度死に、「三国志」を越えた! と私は思っています。

張遼に見とれようとおもって買ったはずなのに、すごく赤壁読み込んじゃったよ!!