日月星辰ブログ

Vive hodie.

コアな知識がインターネットにばらまかれたとき、オタクの特権はなくなった

インターネット社会はオタクにとっては住みよい社会と言うが、とどうじに、オタクというやつが、その特権を奪われ、じとじととした本質のみをさらけ出さねばならないむごい世の中にもなった、ような気がする。
昔なら、アレだ、好きが高じてなにか訳の分からない専門用語だとか、固有名詞だとかを声高に講釈垂れると、それだけで変わり者だの、オタクだのと罵られたものなのだろうが、今やあれですよ、誰もがそんなのネットである程度調べられちゃう世界だもんね。

いや、確かに基本の所は自分からアクセスしないと出てこない。たとえば、夏目漱石を知らない人は、夏目漱石ってぐぐれないわけですし。問題はその後。夏目漱石さえ知っていれば、抗夫だろうが満漢ところどころだろうがさくっと調べられちゃうんです。知識の価格は大暴落ですよ。

そうなると、オタクの既得権益なんて限りなく零に近くなり、にわかオタクは氾濫し、本を読んでるといったら昔なら根暗なガリ勉くんだったのが今やマッチョ。…いや語弊あった。

とはいえまだまだ、ぐぐっただけでは分からない知識もこの世にはたくさんある。

もはや、口にする固有名詞すらぜんぜんわけの分からないぐらいの、京極夏彦描くところの筋金入りのオタクっこみたいのが、もっとこう、世の中にいっぱいいっぱい、はびこれば良いと思います。はあはあ。