日月星辰ブログ

Vive hodie.

げんしけん ファーストシーズン#1

DVDでみるならこれだー!

げんしけん 1 [DVD]

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わー……わー。
これは良いアニメ。
大学入りたての頃をすごく思いだした。あのごみごみとした雑踏、誰を見てもなんと無しに異様な雰囲気、巣窟に足を踏み込むわくわく感。
私が入っていたサークルは残念ながらラウンジ活動でしたが、まさに「げんしけん」みたいな巣窟エリアももちろんあり、そこには比較的伝統の長いサークルが肩を寄せ合っていた。所によっては扉すらない、ただ壊れたソファーが置いてあるゴミ置き場のような部室。そこに踏み込み、つかの間席をいただくあの興奮、選民感。
すべては幻だったのかも知れなくとも、一文の得にも、なんの勉強にもならなくとも、あれなんであんなにわくわくするんだろう。
その雰囲気がものすごくきちんと描かれていて、良かった。それを醸すためだけの一話なんじゃないか、と思うぐらい、十分に、しかしTOO MUCHではなく。
げんしけんのひとたちがほとんど顔に表情を出さないところとか凄くリアルです。うふふ。オタクってそうだよね。

そのほかあほい感想。
●さきちゃんが部屋に来る際に退散を判断したのは笹原ですが、その後コンビニでまだらめさんがはいた「そこで呼ぶかよ」的な発言はその非常にリアルで懐かしくなった。だいがくせー! だいがくせー!
●初めは笹原と高坂がアヤシイとおもうのが腐女子フィルターのような気がした。かおるくんみたいよ高坂。
●まだらめさんはセカンドシーズンのほうがかえって初々しいというかカワイイというか。なんか第1話の彼は全身からルサンチマンがにじみ出ていたよ。全然にぎわってない出店でゲンドウ座りしている所なんか負のオーラがばしばし出てた。笹原をしてやったあとの悪い人っぷりもすごくこう、こう。絵の演技もかなりな感じでしたが、中の人もすごい。ていうか、このころの彼はこんなにとんがっていたのね。ほろり。
●予告の演説にはファッショを感じたよ。アニメ恐怖政治はあはあ。
●欲望に忠実に生きる先輩たちを根拠もなく、「なんかいいな」と思ってしまっていそうなささはらさん。でも一方で「あれにとけこんだら終わり」という防衛本能ももっているささはらさん。確かにとけ込んだらおわりだけど、なんかいいな、というのも真実なのが面白いところで、オタクオタクと世間からは糾弾されますけども、価値観なんて千差万別なんだし、オタクが痛ければ私思うにたまごミュージシャンだって痛いわけであり、何かにひたむきなことはすなわち痛さであり、と同時に「なんかいい」感じでもあるんだから。そういった様々な価値観がひしめき合い、しのぎを削りあっているのがつまりは現実社会というものだろうよ。しのぎを削りあうのは、ファッションに命を懸けるスイーツ女子だって、アニオタだって、渋谷系だって同じなわけだ。前線に立たなければいわゆる「ふつーのひと」として安穏と生きれるかもしれないが、自分が「何に」価値を見出すか、で自ずとその人の陣営は決まって来、端から見れば痛々しく移る人たちは皆、力や技量の差異こそあれ、それぞれの価値陣営の最前線でしのぎを削る尊いソルジャーなんだ、という認識を新たにした。だからどんな人であれ、おいそれと、無造作に「痛い」とかいってはいかんのである。スイーツ系女子だって、オタクだって、痛かろうがなんだろうが価値観に忠実な人間は「なんかいい」のだから。

どっぷり共感してしまって今夜は眠れそうにない。シュプレッヒコールはオタ! オタ! で。