アポロの歌 1―The best story by Osamu T (秋田文庫 1-122)
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/10
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アポロの歌 2―The best story by Osamu T (秋田文庫 1-123)
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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突然王道に走るのもまた良し。
この作品は凄いぞ。あらゆるシチュエーションでの死にネタ満載、しかも主人公は親が性的に不誠実だったが為に人が愛し合っている所を見ると無性に攻撃的な気分になる症候群だぜ。現代社会ではBLなどで使い古され、消費され、形骸化されてしまっているが、手塚時代にはきっと衝撃的だったと思われる。
BL界なら間違いなく鬼畜攻め路線まっしぐらな昭吾とか、患者に恋する渡ひろみとか、もうもうなんだぜ。しかしこの時代の作品というか、作者は作品に明確なテーマをきっちり打ち出しているので、だから古びないんだなあとしみじみ思うぜ。近頃は創作さえ消費行為となり、貪られ、囓られ、廃棄されているのだが、もとより創作行為とはテーマの表現であってこそのはずなのだ。どんな他愛ない作品であっても。
同人ではしばしば創作行為が貪られるだけ、と言うケースに陥りがちなので自重したい。自分がやりがちなのだ。でもね、こと同人については貪りでもいいとおもいますの。だってあれは遊戯だもん。しかしやはり、同人でも頭一つぬきんでいている人はテーマがきっちりしていることが多いような。ううむ肝に銘じとく。