日月星辰ブログ

Vive hodie.

あまりに不憫で泣けた

土佐ブーム引き続き。
本日の読書はこれ。

人斬り以蔵 (新潮文庫)

人斬り以蔵 (新潮文庫)

何言ってんの、ちゃんと「鬼謀の人」も読みましたよ。緒方先生! 大村益次郎! 幕末のホウ統先生ですよ。
でも以蔵の不憫っぷりにはいろいろぶっとびました。あまりに不憫。「おーい龍馬」の土佐の悲惨な階級制度描写には、「そりゃあんまりオーバーなんじゃ」と思っていましたが、司馬先生の書きっぷりもかなり悲惨でした。狗ってね。酷いね。しかし幕末にもなって足軽って何。(←日本史非選択者にはこのあたりがよく分からない。なぜ、有事の際の兵卒という身分が、平時にそのまま残ってるの? やることないじゃん! 理不尽じゃん! みたいな)
日本には独特の差別制度が有るよね。同じ日本人なのにね。狭い島国に住んでいると、そう言う暗部を作らなくてはうまくいかないのかね。
単一民族国家、とかいうお題目が、別の意味で不自然に思えてくる。同じ日本人同士で、手ひどい差別をまかりとおしてきた過去が有るらしいじゃないの。これどう説明するの。もうなんかこー、アメリカや南アフリカの黒人差別に勝るとも劣らない激烈な差別ですよ。
結局、明治維新って差別に苦しんできた人たちのどっこいしょなパワーに寄るところが大きかったのかもね、と思いました。しかしこの本、良い並び順ですよ。大村益次郎の次に岡田以蔵って、両極端だけどどっか似ている二人を並べてある。