日月星辰ブログ

Vive hodie.

「泣ける」事と「おもしろい」事

倉橋由美子版「星の王子様」。

新訳 星の王子さま

新訳 星の王子さま

 
ある物語をして、「泣ける」という場合、良かれ悪しかれ、理解は排除されている。泣けるという感想は完全に個人的なもので、おそらくその裏では様々な個人的な体験が複雑にからみあい、他人には理解できないレベルで物語と連結している。一方、「おもしろい」と思う場合は客観的だ。どこがどうおもしろいのか説明のしようがある。「泣ける」という感想は割とすぐに表に出せるのだが説明が難しく、「おもしろい」というのはなかなか出てこないがいったん自分の中で通ると説明は容易だ。と思った。
 
過去、例の内藤訳で2度読んだ作品の3回目の鑑賞になるのですが、過去に2度読んだ際と印象は大きく違うわけではありませんでした。倉橋由美子訳で良かった、と思うべきかも知れません。
王子様よろしく、この仕事後しばらくして急逝してしまう倉橋氏の後書きが興味深かった。確かにこの作品、大人向けかも知れん。小学校の時に読んでもピンと来なかったし。
 
ちなみにこの作品の私の泣き所は、序盤の「大人は数字が好きだ。…」あたりとか、この主人公(私)に友達がいないとか、そのあたりです。クライマックスはクライマックスでふつうに泣けるのですが、このあたりに泣けるのが不思議でたまりません。何かフラストレーションがたまっているのか…。ちなみに好きなキャラは狐です(そう言う事書くからぶちこわしに…)。へびも好きです。