日月星辰ブログ

Vive hodie.

今週の蒼天航路

 上の流れで。
 徐晃たんがかわいすぎ! たとえて言えば、ジャイアンが、隣の町の中学生か何かでけんか友達が、退学させられそうになっている、という噂を聞いて、「なんとかなんねえのかよ…!」とか言ってるような(わかりにくい)。さびしそうな、腹立たしそうな、どこか切なげな…っていうか、可愛すぎました。
 たまらなくなって彷徨して咆哮する、という男子らしいリアクションには不覚にもかわいらしい…! と思ってしまい、いやいやここはやはりそう言う濁った眼で見てはいけない、もっと澄んだ心の眼(それが腐ってるんですが)で見ろ、ストーリーちゃんと読んでます? などと思い、もう一度しっかり読んでみました。

 私たちはなぜか暗黙の了解として、戦=殺人でない、と思っておりますが、この徐晃のリアクションには、たったいま殺しあいをしてきた高揚感とか、野生に戻ってしまった感性とかがしっかり描かれているようで、そこが毎度ながらごんた先生は真摯だなあと思うわけです。戦は確かに殺し合いで、野生の所行なのだ、でもね、というところが盛り上がって大変。戦いを描く際には避けて通れない、この違いの認識のところで、「戦いは殺し合い」というところを認めつつ、その中にあるどろりとした、それでも至極真面目なものを描き出そうと、されているようです。
 ひたすら反戦、という向きにはその「どろりとしたもの」のところなんて聞きたくもないのかも知れませんけどね。

 関羽が軍議のために座っている姿はもはや神々しいし、趙げんはやはり孫権のやり口に素直に度肝を抜いており、ああよかったこの人はやっぱりごつく見えても参謀なのだ、好みのキャラだもえ、と思ったり(萌えと言う言葉はあたまわるそうなので止めたい)、夏侯惇の安定した感じは、もうなんだかあまりに安心しすぎて逆に不安です。殿を見たのですかそれでもその余裕ですかそれとも知らないんですかどうなんですかと詰め寄りたい。
 もし、自分が武人だったら、夏侯惇のように受け流して生きていきたいと思います。張遼は寂しそうだし、曹仁はもっとしんどそうだし、許ちょは無理だし、徐晃は…自分だったら死んでる。高血圧で。