日月星辰ブログ

Vive hodie.

今週の蒼天航路

 徐晃が。
 それに案外意地っ張りな関平が。やたらと「やあやあ我こそは」云々という習慣はもっぱら、日本みたいな小さい国で殺し合いをする際の習慣かな、と思いつつも、「三国演技」にはきっと名乗りのシーンがあるんだろうな、というか逢ったような気がするので、「ふっるーい!」って女子高生みたいに言わんでも良いと思う満寵。
 しかし、肝心なのはそういった、時代考証が云々というところではなくて、関平が名乗りを要求し、満寵がそれを古い、と軽蔑する、という立ち位置のところで、時代考証がどうであれ、これはこの関係がもっとも、リアルなのでした。関平がお互い、殺し合う仲どおし仲良く、まるでこれからおつきあいをするかのように名乗りあう事を要求するのに比べ、張遼の名乗りのなんとまあ、突き刺さる矢のように、戦略的かつ冷たくてかっこいいことでしょう、って、半年以上前の合肥の事を未だにぶつぶつ考えている私も私です。
 名乗り、と言えば、どんな関係でも絶対に、初対面では名刺を差し出す日本のオトナ社会も、また必ず名前を聞き、相手の名前を呼びながら会話をしようとするアメリカのオトナ社会も、なんかいいなあ、と思うのでした。名前を呼ぶ礼儀正しい暖かさとか、それをあえてしない気安さとか、名前を呼ぶにしろ、呼ばぬにしろ、なんだか名前にこだわる事じたいが、とても暖かいことでなはいですか。意地張って「名乗らない」と言い張る満寵と、知ってるくせに名乗れ名乗れと煩い関平。敵同志とは思えない気安さです。