日月星辰ブログ

Vive hodie.

往年のお嬢さん

 今日、某所のスープストックで、注文をしようとしてレジに並んでいたら、奇妙な奥様に出会いました。
 こちらはならんでいるのに、あとでやってきて、順番を抜かそうともせずに横合いから仕切りと注文を連呼し、こちらの注文を店員さんが一生懸命になって聞いてくれ、「順番ですので…」みたいなことを言ってくれるのに、それすらも無視してひたすらに自分の食べたいものをいいさえすれば食べられるとでも言うように、ひたぶるに、おっしゃるのです。
 というと、所謂ふつーの「おばさん」の部類をご想像されると思うのですが、それがどっこい。言葉づかいはみやびやか、バッグはヴィトン(だからといって、一概にお嬢様とも言えなくなったこの世の中、世知辛いですね)、立居振舞はいたってお上品な所謂山の手マダム風。(往年の)深窓の令嬢風。普段は執事が言いさえすれば食べたいものをはこんできてくれるのでしょうね。一応、スープストックには下々の者も来て、配給を待っているのですから、そんな路傍の石のように無視をしないで下さいね。
 「あなた、働いていらっしゃる方ね」
 「パンがないならお菓子を云々」
 みたいな階級差別が、今の世にもあるということを身をもって知った出来事でした。